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thoroughbred
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thoroughbred-7

***

「それにしても、競馬場って綺麗ですよね」
着いてしばらくして気付いたが、これもイメージとは違っていた。
「喫煙スペースなんかも沢山設置してあるし、場内の係員さん達のおかげでいつも綺麗な状態なの」
また一つ、競馬のイメージが変わった。


「じゃあ早速、馬券を買ってみようか」
「はい」
桃絵さんはマークシートを取り出し、俺に手渡してくれた。
先ほど聞いたのだが、勝ち馬投票券、つまり馬券はこのマークシートを手順通りに塗りつぶし、機械に通して買うらしい。
「あの…言いにくいんですが、俺あまり持ち合わせがなくて…やっぱり高いんですよね?」
乗馬ができそうな額と食事ができる額くらいは持っていたが、いかんせん競馬はお金がかかるイメージがある。
「馬券は100円から買えるんだよ」
「へ?」
あまりの安さに驚き、変な声を出してしまった。
「びっくりでしょ。だから最初は100円でやってみるといいよ」
「はい!」
今日は本当に桃絵さんの言葉に驚きっぱなしだ。
競馬の悪いイメージがどんどん払拭されていく。
「あ、マークシートの書き方は詳しく説明してなかったね」
そう言って、桃絵さんは俺に身を寄せてきた。
体と体が接触して顔が真横にある。
「っ」
いい匂いがして頭がクラクラした。


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