振り向けお前っ!10話〜デート、告白、夏の夜の海・・・-4
「さぁ、皆さん朝食の準備が出来ましたし、食べましょう。」
話に一段落付いた時に愛華がそう言った。
そして、食事が終わると。
「さて、今日は何をしようかしら。」
と、阿佐美が楽しそうに言う。
「俺、もう少し寝るわ、じゃ」
「あ、進一、逃げやがった。」
そう、進一は一瞬で阿佐美の楽しそうに笑う顔を見て危険を察知し、部屋に戻った。
「いいわよ別にあんなの、もう永遠に眠ってなさいっての。」
あきらかに俺も危ない気がしてきた・・。
「まぁ、でも昨日結構遊んだしさ、今日休憩でいいんじゃないのか?」
「せっかくの旅行なんだし、1日を無駄に過ごすのは良くないわ!あれと一緒のダメ人間なるわよ。」
『あれ』とは進一の事だろう。
しかしだ、今のお前は強情なワガママで、なんと言うか進一よりひどいぞ。
「なに、悠太?何か言いたそうじゃない。」
俺がじーっと考えて阿佐美のほうを見ていたのに気づいたのであろう、イライラの矛先が俺に向いた。
あー俺の馬鹿、また面倒な事になりそうだ・・・。
「じゃあ、今日は自由日でいいじゃん、好きな事をするってので。」
「・・・・分かったわよ、じゃ、愛華ちゃん、薫ちゃん、お買い物に行きましょう。」
「あ、えーっと私、今日はちょうどいいと思って学校の課題でもやろうかと思っていたのですが。」
「わ、私は今、それと言ってほしい物も無いですし・・。」
「そう・・じゃあ私は一人で行って来るわ、ここに居てもやる事無いだろうし。」
どうしても買いたいものでもあるのだろうか?と思うほど、買い物に出かけたかったらしい、
「おい、阿佐美、待てよ、荷物持ち代わりに進一でも連れて行けよ。」
「なんで、あんな奴なんか連れて行かなきゃならないのよ。」
「いくらお前が、強いっても、一人はまずいだろう。」
「・・・・じゃあ、悠太来てよ。」
いきなり俺に着いて来いと言われてもなぁ。
のんびりするつもりだったけど・・・まぁいいか、行かないと後が怖いし。