振り向けお前っ!10話〜デート、告白、夏の夜の海・・・-18
「随分時間掛かったな。」
そこから少し時間が経った。
愛華が影から見ていた。
阿佐美の後を付けていたのだ
「・・・答えを聞きに来たんだろ。」
「うん・・・。」
もうどっちに行ってもいい覚悟はしていた。
(答え・・?)
「俺は、愛華が好きだった。一目惚れだったんだ。転校して来た日から。」
(っ!?)
聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする・・。
「やっぱり。」
「でも、お前が必死に俺に想いをぶつけてきてくれる事も知った。」
「・・・・・・」
「俺は今凄く揺らいでいる。」
このまま好きだと行ってしまえば2人は付き合えるだろう
でも、そんな気持ちで阿佐美と付き合うわけには行かない。
ちゃんと愛華への想いを吹っ切らなきゃだめなんだと。
「阿佐美・・・」
その瞬間阿佐美が一瞬怯えたような表情になる・・。
(これ以上は聞かないほうがいい、でも・・・。)
愛華もこれ以上は足を踏み入れないほうがいいと思った。
「・・・俺は・・・今日本当の気持ちをちゃんと言ってくれて嬉しかった。好きになれそうだった。でも・・・今のままじゃ絶対に上手く行かない。愛華への想いが吹っ切れないままじゃだめだ。」
「・・・・なんとなく分かってたよ。」
「お前・・・・・」
「でも、でもね、本当に大好きだったんだよ。」
もう分かっている。伝わらない想いはどうやっても伝わらない。
これ以上行っても悠太を苦しめるだけ・・。
でも、自分を抑えきれない・・。
「だから、今日思い切って、言ったのよ。」
「・・・・・」
「悠太が分かってくれるからって思ってた。」
違う、今は自分の気持ちを無理やり押し付けているだけ・・。