振り向けお前っ!10話〜デート、告白、夏の夜の海・・・-15
「おい、ゆーた!まだ生焼けだぞこれ!」
「うるさい進一、お前そのくらいで十分だコラ。」
「もっと早く焼いてください神木君」
皆からいい用に使われる。
「悠太ぁーこれ焦げてる・・。」
「ああもう、分かったから!待ってろ。」
「頑張れ〜悠太。」
「幸兄も手伝ってよ!」
皆でわいわいやっていた。
その間、大変な思いをした悠太も実質そんなにいやでもなくて結構楽しかったりする。
食事が終わると、
「あ、そうだわ!花火かって来てたんだ。」
あれは、そのためのものだったのか・・・。
さっきまでとは違う態度で阿佐美が別荘の中に入っていく。
どっさりと花火を持ってくる。
「この年になって花火か・・・」
「じゃ、あんたはやんなくていいわよ。」
「僕久しぶりだからやってみようかな。」
「私も。」
「・・・・・俺もやる。」
「最初から素直に言えばいいのに。」
しゅぼっっと軽快な音がして、火花が散り始める。
そして
ばぁーっと色とりどりの炎が噴出す。
きれいだった、
この時誰も気づかなかった、悠太がさりげなく花火を隠していた事を。
「僕花火なんて久しぶりだけど、きれいだねぇ。」
「おーい悠太待てよー。」
「進一てめえ、こら花火もって追いかけてくるな!!」
女子3人は線香花火をしていた。
「誰が一番もつかしら。」
「競って見ます?」
「いいわね。」
と。
皆が思い思いに楽しんでいた。
そのうち幸宏が悠太が隠した花火を見つける。