振り向けお前っ!10話〜デート、告白、夏の夜の海・・・-13
「あんたが、今日、私にそんなに優しくしなきゃどうしようもしないわよ!!」
「え?」
「前行った事覚えてるでしょ、私が悠太を好きなのを!」
「・・・うん。」
「でも、そっちはそんな気なかった!なのに!何で今更優しくなんかするの、気に掛けるの!」
「お、おい。阿佐美落ち着けって。」
「うるさい!!」
阿佐美の目から涙が溢れ出て来る。
「私が・・・どんなに努力して、悠太を振り向かせようとしても・・・全然気づかないし・・・いつも私意外を意識してばっかり。」
「阿佐美・・・」
「わ、わた・・私の気持ちなんて悠太には分からないんだ!」
「・・・・・・・」
悠太はそれ以上何も言うことができなかった。
阿佐美も心に溜まってたものを感情に乗せて一気に吐き出したからだろうか、何も言わなくなった・・。
少し無言の時間が流れた。
「・・・・なぁ、阿佐美、俺前に言ったよね。お前を幼馴染でしか見ることができないって。」
「聞いた!聞いたけど・・・・・、でも、それでも悠太が大好きなの!」
やっと言えた・・・自分でもそう思った。
後は悠太にごめん、とか何とか言われて終わり。
それでいいんだ、結局もう結果は分かってるんだから・・・・。
「うん、そう言ってくれるのは嬉しい、けど。」
もったいぶらないで早くごめんの一言を言ってほしい。
「ごめん。」
ああ、やっぱり言ってくれた。
が、次の言葉に驚いた。
「俺も嘘をついてた。」
「え?」
「いや、幼馴染としかみれないと言うのは嘘だったんだ。」
「どういうこと?」
「ただ皆との関係を崩したくなかっただけなんだよ。臆病者だったんだ。」
「・・・・・・」
「と言っても、まだ輝としか、話してなかったからな。4人だ。」
阿佐美が大分落ち着いてきた。
「まぁ、怒るかもしれないけど、今の話は本当だ。ただ、今までの関係を壊したくなかった。それだけなんだ。」
「だから、お前と幼馴染としてじゃなくて、それ以上でも見ていた。」
「それ・・・で?」
「その時はまだ好きっていう感情がなかっただけだ。」
ふられる話なら早く終わってほしいと思った。