想いのいきつく果て〜決意〜-1
「紘子、愛してる」
その一言を言われた瞬間、言いようのない感情が込み上げてきた。
嬉しいのに切なくて、苦しくて…とめどなく涙が溢れだした。
だって言ってるしのくんがあまりに切ない顔してるから……
お互いこんなに想いあっていても……二人背負ってるものが重すぎるよね…
「しのくん…」
「ひろ、今日デートせえへん?」
「え?…」
先程とはうってかわって、少年のような目を輝かせニコニコ笑ってるしのがいる。
私の頬を両手でつかみ、頬に落ちた涙を拭う。
「せっかくのこんなデート日和りにデートせなもったいないやん?俺らラブラブやのに!」
ニッと笑いながら抱きついてくる。
「ひろ〜デートしよ〜」
「…う、うん…」
「決まり!」
しのは後部座席のドアを開け、私の手をとり車から降ろすと、助手席のドアをあけた。
「姫!どーぞ?」
「ひ、ひめって…」
「姫言うても年は関係あらへんから!」
「うっ……誰もそんなこと…」
またもやいつもの悪戯っ子の笑い…
「もう〜知らないっ!」
ほっぺたを膨らませ赤面している紘子を見ると、思わず笑ってしまう。
ほんまに年上かいな…
頭を撫でながら、よしよしすると、照れて黙るし…
ほんま飽きないわ。
「とりあえずドライブしよな」
「うん」
しのは横浜方面に向かって車を走らせた。
右手でハンドルを握り、左手は私の手を握り、時たまこちらを見ながら…
信号が赤に変わり止まった。
「しのくん、真っ直ぐ前見ないと危ないよ」
「大丈夫やって。運転うまいし」
にっこりと微笑む。
いや、そういう意味じゃないんだけど…
ひとり呟いていると目の前に影が…
「…え…」
しのが私の顎を持ち上げキスしてきた。
始めは軽く、段々と濃厚なキスに…
舌を絡ませ音をたてながら…