想いのいきつく果て〜決意〜-2
「…し、しのくん…信号…あお…」
「…ええとこなのに…」
軽く舌打ちをして再び車を走らせるしの。
「ひろ、感じちゃった?」
「……」
しのは無言で赤面している私の頭にポンポンと手をのせ笑った。
「そかそか。お楽しみは後でな〜」
「だ、誰もそんなこと…」
「言うてない?ならせえへんよ?」
「……」
「ひろ、顔真っ赤やで。ほんま素直やないんやから」
「…し……て…ほし…」
「ん?何て?」
「…えっと…あの…後で…して欲しいの…」
「紘子?…」
一瞬の沈黙の後、しのが破顔した。
「紘子最高〜!ははは…ほんま可愛いわ〜」
「……」
「ひーろ、…そんなん言われなくてもするに決まってるやろ?」
俯いた顔を少しだけ上げてしのを見ると、前を向いたまま優しく微笑んでいる。
「…うん…」
一言呟くと繋いだ手が強く握り返された。
「おぉ〜!観覧車や!あそこいこ!」
「うんいーよ!」
隣ではしゃぐしのを見るとまるで子供だ。
遊園地なんて、デートで何回も来たことあるだろうに…
思わずしのを見て微笑んだ。
「ひろ、今バカにしたやろ〜?遊園地ごときでって…」
「違うよ。可愛いなと思って…」
「ほらやっぱり!
けど、遊園地のデートなんて初めてやし…」
「え?そうなの?」
「そやで」
「じゃあデートってどこいくの?」
「……めしとか……」
「…それだけ?」
「い、いや、まあ後は…ホテルとか?…」
「……ふーん」
「…紘子〜怒らんといて…可愛い顔が台無しやで?な?」
「別に…怒ってないもん」
「紘子は特別やから色んなことしたいんやで?遊園地や映画やカラオケや…。
一緒に歩くだけでもめっちゃ楽しいし…もちろんHは最高やけど?」
赤面してうつむき加減の私の顔を、下から覗きこみ、笑顔で軽くキスをしてくる……
余計赤くなっちゃうじゃん…
何か誤魔化されたような気もするけど、楽しそうなしのの顔を見てたら、そんなことどうでもよくなった。