想いのいきつく果て〜憂える想い〜-4
「…紘子…」
「ん?」
「ひろ…今幸せか?…」
「…え…」
しのの優しい眼差しが私の胸を熱くする。
「…しのくんに出会えたことは…凄く幸せ…」
「…そっか…」
「どうしたの?」
「いや…俺の気持ちのほうが紘子が想う気持ちより大きいな。俺の勝ちやで!」
しのがいつもの意地悪なニッとした笑いをする。
「もう〜〜〜そんなことないもん!」
「またひろちゃん、ムキになっちゃって〜10上なんて思えんなぁ〜」
「もう知らないっ!」
絶対わざと言ってるし…
本気でからかわれてる…
「俺は紘子に出会えたことが奇跡やと思うてるから!…な?俺の勝ちやろ?」
「勝ち負けなんてないでしょ?」
しのの顔が急に真面目な顔つきに変わり、見つめてくる。
そして手を伸ばし、後ろから頭をつかんで自分の胸に押しつける。
「…しのくん?…」
「ほんま、俺のが上やで……紘子がイヤ言うまで離れんし…嫌言うても離れんかな……」
「…しのくん…」
「…ひろ…俺な、今まで何でも自分が一番で、気に入らんことされたら即別れてた…
でもな、今、そんな自分より大事なもん見付けたんや…」
「…うん…」
しのが肩を抱きながら見つめてくる。
そして、おでこをくっつけると囁いた。
「…紘子…お前や…」
「しのくん…」
自分でも気付かぬうちに自然と涙が零れ落ちてく。
しのはその涙を指先でそっと拭いながら、はっきりと言った。
「紘子、愛してる」