想いのいきつく果て〜揺れる想い〜-2
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空港からの帰り道、助手席に置いてあった携帯がなる。
ハンドルを握りながらイヤホンを耳につける。
「はい…」
「やっと繋がったぁ〜しのぉ〜今どこおるん?」
さっきの電話の主、『24』だ。
「今、運転中や、切るで」
「今日会わへんの〜?」
「……」
「だめなん?ええやろ?」
「…ええよ…」
無意識にそんな言葉が出た。
このままいったら自分を見失いそうで、紘子の重荷になりそうで、ふたりの彼女と続けることが、一番いい事なんだとこの時の俺にはそう思えた。
紘子に出会ってしまった今、『19』と『24』、別れるのは簡単だ。
でも俺がフリーになったら紘子には重いやろ、苦しいやろ?
それに紘子が俺に負い目を感じるやろ、それが一番辛い。
だから今まで通り2人とも続けていく、そう決めた。
それでも葛藤する気持ちを抑え、『24』の家の前についた。
インターホンを鳴らすと同時にドアが開いた。
「遅かったやん。はよ入って。」
手を引かれ、部屋に入るとすぐに抱きつかれた。
まるで赤の他人に抱きつかれたような感覚…
正直きつい…
「……しの、彼女と会ってたん?…」
「!?」
「…女の匂いする…でも…いつもと違う…」
「………彼女おってもええって言うたのお前やろ?」
女の体を離しながら驚く程冷たい声が出た。
「…せやけど…」
しばらくの沈黙の後、後ろから抱きつかれた。
「彼女おってもええとは言うたけど、あたしの後に出来た女は許さへんよ。…しの…抱いて…」
「…今はそんな気分やない」
「…え…今までそんなん言うた事なかったやん」
「疲れてるんや!」
自分でも驚くほど凄みのきいた声で怒鳴っていた。
『24』が一瞬たじろぐのがわかった。
「………そう、ならお風呂入れば?疲れとれるし…」
「……せやな、そうさせてもらうわ」
バスルームに向かうしのの背中を見つめる。
中からシャワーの音が聞こえだした。