けんぽなし〜再開〜-7
次の日から…
そう
太一は学校へ来なくなった…
唇を噛み締める太一の姿が…
私の脳裏から離れない…
だけど、もう二度と1人にはなりたくなかったから…
枠からはみ出してはいけないのだ…
歩みを乱してはいけないのだ…
同列でなくてはならないのだ。
耕太郎は太一を部屋から引きずり出した。
私の目の前に横たわる太一…
髪が伸びてて、髪の黒さが皮膚の白さを浮き立たせていた…
あの頃より少しふっくらしてた体型…
私は、涙を流し、体を震わすしか出来ず…
目の前の光景を、ただ眺めていた…
「な…何するんだよ…」
そう、振り絞るように言った太一の声は…震えていた…
「お前は何やってるんだ!!お前の…俺達の世界はこんな小さい所じゃないだろ!!」
「…どいてよ」
太一、立ち上がると、耕太郎を押しのける。
「おい」
耕太郎はその手を取り、部屋に戻ろうとした太一を再び廊下へ引き戻す。
「何だよいきなり!!ほっといてよ!!」
「ほっとけるわけないだろっ!!太一のばかっ!!来いっ!!」
耕太郎、太一の腕を掴むと、階段を降り始めた…
「やだよっ行かない!!行かない!!」
太一の最大の抵抗は耕太郎にはあまり効かないようで…
太一を引きずり、階段を降りてしまった。
太一のお母さんはオロオロするばかりで、近くことが出来ないでいる…
耕太郎は太一を庭まで引っ張って行くとやっと手を離した…
「何するんだよ!!ほっといてよ!!ほっといてよ!!」
太一の声は叫び声と混じり合ってよく聞き取れない…
「うあああああぁぁぁーーーーーーー」
太一は耕太郎に体当たりした。
!!っ
私は思わず庭へ駆け下りた。
「止めて…ねぇ…止めてよ!!」
そんな…私の声なんて、届くはずもなく…
ポツリ…ポツリ…
私達の頭に大粒の雨粒が落ち始めた。
雨が徐々に強くなり、頬を流れるものが雨なのか…涙なのか…分からなくなってしまった…