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けんぽなし
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けんぽなし〜再開〜-5

翌日は土曜日で、学校が休みだった。

私は朝食を終えて、誰もいなくなった家で、たまっていた録画番組を観ることにした。
画面の映像が、私の目にちかちか映っているのに…
私の頭に映し出される映像は、昨日の出来事だ…

ー…………

ピンポーン…

!!っ

ー…びっくりした…

インターホンの映像を見た私は、玄関に走った。

「耕太郎…!?」
「…おはよー、行くぞ」
「え…?」
「太一の所」

ドクン…

「で…でも…昨日の今日だし…」
「……」
「…見たいドラマとかたまってて…」
耕太郎の目が見れない…

私は…なんて醜いのだろう…
逃げて、逃げて、…行き着く先に私が求めるものがあるのだろうか…

「瑞希…行かないと解決しないだろっ…」
「………」
「とにかく来い!!」

ー……

耕太郎マジックは…私にはよく効くようで…
耕太郎がいれば、何だか大丈夫のような気がする…

太一のお母さんは、私達へかける言葉を探してるようだった…
「お邪魔します」
耕太郎、無言の私達の間を笑顔ですり抜け、太一の部屋へ向かう…

「お邪魔します…」
ー……う〜……気まずいよ〜…
私、思わず耕太郎の後を追った。

「おはよー太一〜耕太郎だけど〜…開けてよ、ここ」

昨日とは少し違う声のトーン…

ドクン…

私の体が小さく震える…
私、急いでポケットに手を入れた…

!!っ
ー…ないっ

ない…どんぐりがない…ない…

私はその場に崩れるように座り込んだ。

「瑞希?」
私に気づいた耕太郎が駆け寄って来る。

ー…ない…ない…

すでにパニックになってしまっている私…
私の口から漏れ出していく…


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