けんぽなし〜再開〜-2
「瑞希、同中だっただろ?」
「………うん…」
私、耕太郎の問いにどうにか小さく頷いた。
「え??何?」
「……うん…同中……」
「??…だよな…え?やな話題?」
ー……
太一…光永 太一(みつなが たいち)は同じ保育園の1人…
耕太郎とは仲良しで、耕太郎と太一で結婚するーなんて言ってたほどに…
いつか聞かれるのではないかと…そんな気はしてた…
私達は学校近くのファーストフード店に入った。
「……実は…中一の途中から、私も会ってないんだ…」
「え??転校したの?」
私、ゆっくり首を横に振った…
「?…」
何か言いたげな耕太郎の口を塞ぐため、私は、話すしかなかった…
「中学に入ってすぐ…太一…いじめられてて…あ、私、違うクラスだったから…よく知らないんだけど…結構…ひどかったみたい…で、学校に来なくなったの…そのうち部屋からも出なくなって…今、引きこもり…状態だって聞いてる…」
耕太郎の目が見れない…
「………」
何も言わない耕太郎…
私はうつむいたまま、耕太郎の言葉を待っていた。
責められたいのか…
お前のせいじゃないって言われたいのか…
慰めてほしいのか…
私はうつむいたまま、どんぐりを固く握り締めていた…
あれから…
太一の事を話してから、一週間が過ぎた。
耕太郎は何も言ってこない。
あの日も…
耕太郎は、
「そっか」
そう一言言っただけで、何も…言わなかった。
ー………
「言わない方がよかったかなー…」
!!っ
「耕太郎!?…」
「何て思ってるんじゃない?太一の事」
「……」
図星だ…
「今日、行くからな」
「え??どこに??」
「太一の所に決まってるだろ」
耕太郎、そう言い終えると背を向けて去っていく…
「え…」
ーえ…ええーーー!!
私、呆然と耕太郎の後ろ姿を見送った…