僕とあたしの夏の事件慕? 第六話 「真実を探して」-1
【僕とあたしの夏の事件慕】
第六話 「真実を探して」
◆――葉月真琴――◆
目が覚めると身体が重く、左腕の感覚が無かった。
代わりにサワサワとした感触を左胸に感じる。原因は梓さんの乱れた髪。
僕に寄り添い、安心しきった顔で寝息を立てている姿からは、もう昨日の不安も感じられない。
「……オハヨ……」
しばらくその寝顔を眺めていたけど、僕が起きたことで目を覚ましたらしく、まだ眠そうに目を擦りながら起き上がり、軽くキスをしてくれた。
僕は調子に乗って舌を出すけど、絡めさせてくれない。
「ダーメ……ね?」
「はい」
「私、お風呂、入ってくる……」
僕はまだ昨日の余韻があるのにな。梓さんはどうなのかな?
それでも梓さんが去った今、下半身をそのままにしておくのも間抜けなので、脱ぎ捨てたトランクスを履きなおす。
さ、顔を洗ってこないと。
◇――香川澪――◇
目が覚めると十時半、昨日より二時間も遅い起床……。
仕方ないか、昨日は遅くまで起きていたんだし。
あたしは寝汗と別の粘液で湿った下着に不快感を覚えたので、眠気覚ましついでにシャワーでも浴びようとお風呂場に向かう。
***―――***―――***
「あら澪、オハヨ」
脱衣場には梓が先客だったらしく、髪を乾かしていた。
相変わらずのサラサラヘアが羨ましいけど、それよりも元気そうな姿が嬉しかった。
「おはよ、梓。もう平気なの……その」
「うん、大丈夫。いつまでもくよくよしてられないし、それに勇気をもらったから」
「ふーん、そうなんだ」
「なんだかおなか空いちゃったし、先食べてるわよ」
「うん。あたしもあとで行くから……」
梓は肩にかかる髪をかき上げながら脱衣場を後にする。
なんだかすっかり元気になったみたいだけど……ちょっち雰囲気変わってない?
お風呂上りだからだよね?
***―――***―――***
シャワーで、洗い流すのはなんだろう。寝てかいた汗?
違うか……この白くかわいた、虚しさを含む自慰の跡。
相手のいない愛液……まさか覚えたてのオナニーに耽るなんて寂しいものね。
さっきから丁度良い湯加減で割れ目を刺激するシャワー……結構気持ちいい。
あたしったらまるでおサルさんだわ。
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