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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第五話 「僕の事件慕」-1

【僕とあたしの夏の事件慕】

第五話 「僕の事件慕」

◆――葉月真琴――◆

 食堂には澪と梓さん、椿さん、それに楓さんがいる。僕が五人分の紅茶を淹れると、みんな美味しいと言ってくれた。

 しばらくのんびりしていたけど、椿さんは時計を見て立ち上がる。

「楓さん、お父様のことでお話があるんですけどよろしいですか?」

 お父様のことってなるとやっぱり遺言だよね、何か進展があったのかな。でも理恵さんがいないのに話を進めていいのかな。だって楓さんは助手なんでしょ?

「ええ、大丈夫ですよ。そもそも僕はその予定で来てますし」

「梓も来てもらっていいかしら? 大切な話しだし」

「……ごめん姉さん、私疲れたからちょっと横になる」

 そういって梓さんは席を立つ。

「ちょっと梓? もう、しょうがないわね……。それじゃあ真琴君、澪さん、ごゆっくり」

「真琴君、紅茶ご馳走様」

 椿さんは楓さんを連れ立って食堂を後にする。
 澪は二人が見えなくなるのを確認してから口を開く。

「あの楓って人、信用して大丈夫なの?」

「わからない……けど、少なくとも二人を心配していた」

 いや、正しくは梓さんを……だ。
 使用人部屋を出た後、澪達を探していると、楓さんは梓さんが見えないことを心配していたらしく手伝うと言ってくれた。
 最初、信用してよいか迷ったけど、真二さん達がいないことに不安を覚え、協力してもらった。

 その後、別荘から少し離れた場所で梓さんを見つけたんだけど、何かに怯えていたらしく、声をかけたら悲鳴を上げられた。繰り返し名前を呼ぶことで、落ち着いてくれたけど、何があったか教えてくれない。
 逆に澪は元気いっぱいだったけど、僕に対し怒っていた。
 二人に何か悪いことしたかな? ……なんにせよ、無事でよかったと思う。

「そういえば、澪は何を見たの?」

「うん、理恵さんと哲夫がさ遺言書を捏造するとかそんなことを話してたのよ。理恵さんは断ってたけど、哲夫って奴は理性より感情で動くっぽいのよね。……そういえば梓、大丈夫だったのかしら」

「わかんない、さっきからああなんだ」

「それと、愛美さんのことなんだけど、信用しない方がよさそうね……狸側の人みたいだし……」

「え!?」

 まさかアレを見ていたとか? いやいや、カーテンは閉めていたし、澪達は二人を追っていたし。

 僕が数学の問題を当てられたときのように視線を右斜め上に彷徨わせていると、力強い手が強引に正面を向かせる。


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