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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第五話 「僕の事件慕」-2

「真琴、何か隠してる?」

「な、なんでもないよ……」

 隠し事をするといつもこれ。でも、少しでも目を逸らすと……、

「目を逸らさない! まっすぐあたしを見るの!」

 これが他の人なら僕もシラを切りとおせる。だけど、凛とした澪に見つめられると、全てを見透かされてしまう気がする。なんか不公平だ。

「そんなことより澪、蔵に何かあった?」

 起死回生を賭け、強引に話題をふる。

「蔵? え、えっと……あたしは何も見てない、何も見てなかったわ!」

 急に顔を赤くする澪。いったい何を見たのかな? でも、誤魔化せたし、ここは蒸し返さないようにしないと。

「ねえ、お腹空かない? 台所にクッキーあったから持らってくるよ」

 とりあえず、上手い言い訳を考えるまでは顔を見せない方が無難だと思う。

***―――***―――***

 夕食時になっても梓さんは食堂に来なかった。
 澪が様子を見に行くと、『気分が悪いから少し横になる』とのことなので、僕は後でおにぎりでも持って行こうと思う。

 それにしても静かだ……さっきから誰も口を開こうとしない。
 当然か、お互いの腹の内はわかっているし、遅々として目的が進まないことに焦っているんだ。だけど、澪が盗み聞きした話によると、真二さん達は強引な手を使ってでも、真澄家の資産を奪おうとしているみたい。こうなると一刻も早く遺言書を見つけて公開してもらわないと。

「真琴さん、お代わりはいかがですか?」

 気がつくと、愛美さんが隣にいた。

「いえ、結構です……それより台所を借ります。梓さんに何か持っていきたいんで」

 僕は食事も途中で早々に席を立つ。少々強引だけど、今は愛美さんと顔を合わせるのは避けたい。理由は動揺するのを澪に感づかれるのが怖いから。

***―――***―――***

「梓さん、真琴です。夜食持って来ましたよ」

「……」

 返事が無い。仕方なくドアを開けようとすると、ドアノブが回らない。どうやら鍵がかかってるみたい。

「どうしたの? 真琴」

 僕がドアノブと格闘していると、澪がやってくる。

「梓さん、部屋に鍵を掛けているんだ……」

「それは困るわ! あたしの着替え中にあるんだから……ちょっと梓、開けてよ」

 澪がドアを叩くと、ようやく中から鍵を外す音がしてドアが少し開く。

「澪だけ入って……」

 かなり憔悴した声の梓さんに僕はかけようとしていた言葉を失い、おにぎりを持ったまま立ち尽くす。

「う、うん……」

 澪も少し戸惑っていたけど着替えをとるべく中に入る。
 ドア越しにかすかな声が聞こえてくるけど詳しい内容は分からない。いったい梓さんに何があったんだろう?

 しばらくして澪が出てきた。


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