僕とあたしの夏の事件慕? 第四話 「取引」-11
これって、もしかして……。
エッチをする時、女性は男性を受けいれる為、性器から粘液質の分泌液を出す。
初体験を終えたクラスメートの話だとそれは愛液というらしい。だけど、あたしの太ももを濡らすモノには決して愛などは含まれていない。
襖の向こうでは狸が結合を解除し、愛美さんを立たせていた。
終わったのかと思ったが、二人は正面に向き直り、互いの身体を弄りあう。
狸は愛美さんの両足の外腿に腕を回し、抱えあげると、再びジュププといやらしい音を立て、結合をやり直す。
「し、真二様……よすぎですぅ、私のおマンコの中、真二様ので、どんどん熱くなってますぅ」
熱っぽい愛美さんの悲鳴に紛れて、軽快なスパン、スパンという音。
「ン、アアーン……真二様ぁ……もっと、もっとかき回して下さいぃ!」
「はしたない女め、貴様の仕事はなんだ?」
「ご主人様の性処理です」
「ふん、貴様ばっかりよがっていては、ワシがよくなれないではないか?」
「申し訳ありません、どうか私で、ンッ、気持ちよくなってくださいィ……どうか私のおマンコごときで、よくなってくださいィ、あ、あ……ああぁんぅ」
「仕方ないのぉ、しっかり掴まっておるのだぞ?」
「はいィ、私の身体、弄んで……くださいぃっ……」
姿勢を変えるとなんかいいことあるの? でも、さっきより二人の表情は楽しそうっていうか、嬉しそうっていうか、とにかく良さそう。
それにしてもよくあんなモノがアソコに入るわ……あたしなんか、人差指一本も入らないのに……。
試しにショーツの中のアソコを指でなぞる。すると、全身に電気が走る。
あ、あふう……やだ、なにこれ……まさか、オナニー……
あたしはこれまでにオナニーをしたことが無かった。というか、快感を得たことが無かった。以前クラスメートに「アソコを触ると気持ち良くなれる」と言われて試しに触ったことがあったけど、結果は一向に気持ち良くなれず、代わりにアソコがヒリヒリと痛くなっただけ。
しかし、愛液に濡れたあたしのアソコは、未知の感覚を与えてくれた。
気のせいかもしれない、そう思いもう一度触る。
「フ、クゥ……」
少し声が漏れる。慌てて二人を見るが、行為に夢中で気付いた様子は無い。
もう一度、快感を確かめる為に……。
「ヤァン……んぅ」
やっぱり気持ちイイ……あたしは今、オナニーをしているんだ。しかも他人のエッチを覗き見しながら。
目の前の二人は依然、獣のように唸り声を上げ、たまに舌を絡めあうキスをして、粘着質のある唾液を口の端から垂らす。
エッチしたら、あんなふうになるのかな……あたしもしたいのかな……でも誰と?
「うふぅ……んっ」
また触ってしまった……これ以上触って大きな声でも出たら気付かれてしまうかもしれない……なのに指が快楽を発掘してしまう。