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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第三話 「引っかかる部分?」-6

「こういうのはどう? ベランダを伝って窓から入ったとか!」

「それはあるかも……確かめてみましょう」

 二人は早速ベランダに出ていく。僕はその間に椿さんに昨日のことを聞くことにした。

「椿さん、昨日の夜、蔵に何の用だったんですか?」

「何のこと? 真琴君」

 表情一つ変えずに答える椿さんは、本当に知らないみたいに思える。

「僕見たんです。夜に蔵に向かう椿さんの姿を……」

「あら、見ていたの。昨日は私は……、ちょっと蔵で探し物をしていたの」

「夜にですか?」

「ダメかしら?」

「不自然です」

 僕は少し強い口調で責め立てる。だけど椿さんは平然した様子。むしろ微笑んですらいる。

「昨日……蔵の二階から何か聞こえてきたけど、何か心当たりあるかしら?」

 その言葉に僕は顔を真っ赤にする。蔵の二階での甘くて苦い体験を知られていた?
 っていうか、蔵で消えた椿さんに聞こえていてもおかしくないか……。

「誰でも他人に話せない秘密があると思うけど……それでも聞く?」

「いえ、いいです……」

 一見穏やかな印象の椿さんを僕は侮り過ぎていた。この人、意外に手ごわい……いや、僕が脆いだけか。

「真琴ー、アンタも来なさいよー」

「し、失礼します」

 澪の呼ぶ声にこれ幸いと、僕は尻尾をまいて逃げ出す。

「がんばってね、ホームズ君」

***―――***―――***

 梓さんの推理はこうだ。

 犯人は寝静まった椿さんの部屋の窓から侵入し、気付かれないように鍵を盗む。そして、そのままベランダへ出てから鍵を掛ける。その後、真二さんの部屋を荒らし、僕の部屋に投げ入れた。今は夏だし、どの部屋も窓は開けっ放しだったから充分に可能。

 ただ、この推理には問題が一つある。
 それは当主の間の窓。
 たてつけが悪く、三十センチ程度も開かず、犯人は窓の隙間を通ることのできる人に限られる点。見た目からしてメタボリックな真二さんと、がっしりした哲夫さんと楓さんは除外される。
 それに、真二さんの部屋を荒らすのが目的なら、椿さんと愛美さんは鍵を盗む必要が無いし、理恵さんも僕と一緒に蔵にいた。
 となると、残る容疑者は僕と澪と梓さんだけになる……つまり、この方法は検証する意味が無い。

「真琴、アンタくぐれる?」

 それでも検証をするつもりらしいので、僕も余計なことを言わずに従うことにする。
 少し開いた窓に頭を入れるとアゴが引っかかる。少し横を向くとなんとか通るので、多分いけるハズ。


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