「背徳の戯れ」-6
「んぁっ!」
体勢を変えると、挿入された張り型の位置が変化し、思わず声が上がる。
いつもより目線が低いためか、部屋までの僅かな道のりがとてつもなく長く思える。
「…っ、はぁっ」
足を前に出す度に、張り型は舞の奥を刺激する。
もう、喉は涸れ果てて声など出ないはずなのに、舞の限界を超えた躯は刺激に忠実な反応を返す。
部屋に着く頃には、舞の手足はガクガクとし、思うように力も入らなくなっていた。
「さぁ、飲みなさい」
そんな舞の目の前に男は平たい皿を置いた。
「スポーツドリンクだから安心して良い。ただし、牝犬らしくちゃんと顔を皿に浸けて飲むんだよ」
渇ききっていた舞は言われるがままに皿に顔を近付けた。
しかし、舌を伸ばしてみたものの、疲れきった躯は喉にまで水分を吸い上げる体力を残してはいなかった。
もどかしげに舌先だけを動かし、舞は水分を補給しようとする。
「仕方がないね」
そんな舞を見かねたのか男は膝の上にヒョイッと舞を抱え上げる。
そのまま皿に手を伸ばし、中の水分を自分の口に含むと口移しで舞に与え始めた。
「んっ…くっ、んんっ」
流し込まれた甘く冷たい液体は、舞の喉を潤し躯の奥へと滑り落ちていく。
その甘美な液体をもっともっととねだるかのように、舞の舌先は男の咥内へと入り込んでいく。
「んっ、ふぅっ…っあん」
すると、逆に男の舌と唇によって舞の舌先は吸われ、歯列を舐められ欲望を深めていく。
「ふふっ。本当に舞ちゃんは積極的だ。睡蓮とは大違いだね」
男の言葉に微睡んでいた舞の瞳が大きく開いた。
「そう、君のことは睡蓮に聞いたんだよ。“最近変わった名前の咲きかけが来た”ってね」
舞の脳裏に人形のように整った顔をした姉姫の姿が浮かぶ。
「咲きかけ」とは、この街の用語で初潮後〜成人前の花姫を指す。
「舞ちゃんのことだって直ぐに分かったよ」
男の手が、愛おしむようにゆっくりと舞の頬を往復する。
しかし、舞には何故、自分の名前が“変わって”いるのかが分からない。
“睡蓮”の方が余程…!
「気が付いたかい?そう。ここで花の名前を持っていないのは舞ちゃん、君だけなんだよ」
男の手のひらが徐々に下降し、舞の胸に触れた。
指先で立ち上がった先端を柔らかく擦り上げる。
「バレると困るから、このことは睡蓮には内緒だよ」
男は、穏やかに微笑みながら舞の唇をもう片方の手で塞ぐ。