伊藤美弥の悩み 〜初恋〜-8
体のざわめきが鎮まったように感じられると、龍之介は深呼吸を止めて美弥を見る。
「はうっ……!」
そして、呻いた。
眠る美弥が、しどけない寝姿を曝している。
「うぁ〜……!」
欲求不満が溜まっていたのか、龍之介は欲情してしまった。
おとなしかった肉棒が、ばっきばきに勃ち上がる。
「いでででで……!」
愚息が下着を突き破ろうと悪戦苦闘を始めたため、龍之介は慌ててそれを開放した。
「はふ……」
人心地ついた龍之介だが……きゃあという美弥の悲鳴で、我に返る。
「り、龍之介!?」
先程揺さぶり起こしたのが効いたのか、美弥が目を覚ましたのだ。
「……あ。」
とってもまずい状況に陥った事に、龍之介は気付かされる。
眠っていたはずの恋人の横で欲望を露にした下半身を曝しているというのは、しごく誤解を生みやすい状況だと思われた。
そして予想に違わず、美弥は誤解して悲鳴を上げているのである。
「きゃーっ!きゃーっ!」
美弥からすればたとえ何度も見て愛したイチモツでも、起きぬけにいきなり見せられれば驚く事しかできなかった。
とんでもなく焦った顔付きからすると理性は保っているようだが、ならば何故に下半身を曝しているのかが、理解できない。
「何で!?何で!?何でえぇ!!?」
叫びつつも美弥の目線は、そこに釘付けである。
龍之介は目をつぶり、覚悟を決めた。
美弥を引き寄せ、唇を奪う。
「むっ……ふ……!」
しばらくの間、美弥は腕の中で暴れていた。
しかし龍之介の腕がびくともしない事に気付くと、抵抗を止めておとなしくなる。
おとなしくなった美弥の唇を、龍之介は愛撫し始めた。
「ん……」
美弥の眉間に皺が寄る。
「んぷ……ふ……」
しばらくしてから唇を離すと、美弥は全身をぐんにゃりさせていた。
キスだけで体が痺れてしまった美弥は、潤んだ目で龍之介を見る。
「な……んで……」
それでも一抹の理性が残っていたようで、唇が説明を求めた。
「起こした時にあんまり色っぽい声を出されるから、欲情しちゃいましたヨ。」
龍之介は、正直に打ち明ける。
「いつもなら、ここからキレるのね……」
納得した声で呟く美弥の頬を、龍之介はぺろりと舐めた。
「あ……」
驚く美弥へ、龍之介は言う。
「だから欲情してるんだってば」
それを聞いた美弥は、仕方ないなと言わんばかりに笑った。
ベッドに寝転び、腕を広げる。
「学校、間に合わなくなるけど……欲情させちゃった責任は、取らないとね。来て、りゅう」
発情を受け入れて貰った龍之介はニヤリと笑い、美弥へ襲い掛かっていった。
「あン……ん、あぁん……!」
盛りのついた龍之介だが、問答無用でいきなり美弥を貫くような真似はしなかった。
何と言っても美弥の体の準備ができていないし、美弥に触れて鳴かせるのは二人でいい気持ちになれる。
「あ……っ!く、ふうぅっ!」
両の乳首を舐め回され、美弥はなまめかしい声を上げた。
たっぷり唾液を絡めるいやらしい音までも使われ、美弥は攻められている。
龍之介は唇と舌の愛撫を続けながら、重ね付けしたキスマークの上に指を滑らせた。
「あっ……!やっ、りゅう……っ!」
美弥は乳房を愛でられただけで、啜り泣きに近い鳴き声を漏らしている。
「あっ!」
足の間に滑り込んできた指が、秘唇を割った。
くちゅ……ぐちゅ、ぐぷぷうっ
龍之介は指を二本、いきなり蜜壺へ突き立てる。
「きゃっ……!」
少し驚いて、美弥は声を上げた。
いつもの龍之介なら少々乱暴な愛撫だが、その乱暴さが今はいい。
「ああっ!!」
二本の指が快楽の集合体を探り当て、ごにょごにょと刺激し始めた。
「っう……くううううっ!!」
ぬりゅ
「ひっ!!?」
美弥は思わず悲鳴を上げる。
そこへの刺激は変わらないままに親指が淫核の包皮を剥き、絶妙な加減で嬲り始めたのだ。
しかも口の方は、変わらず乳首に吸い付いている。
――感じ過ぎてすぐにイかれてしまうからという理由で、龍之介は複数箇所の性感帯を同時に愛撫する事はあまりない。
もしやっても美弥がどうにかなる前に愛撫を止め、イかせないようにしているのだ。
「ああああぁ……!!」
強烈な刺激に、美弥は背をのけ反らせる。
「くうっ……あぁ、あっ、りゅうっ……あぁん!!」
龍之介の名を呼びながら、美弥は濡れそぼった秘部に埋め込まれた指をきつく複雑に締め上げた。