SFな彼女 -Science Fiction編--9
「ふぅ……んッ!」
背中が弓なりにしなり、ユズリハが感極まった声を上げた。
俺はぬめるユズリハの秘所に、ゆっくりと自分のものを押し進めていく。
「やぁんッ……いッ……ああッ」
何ともいえない感触に、俺の背筋を悪寒にも似た快感が駆け上る。
そこはまるで別の生き物のように蠢き、俺のものを締めつける。
動かないでも十分に快感が得られ――俺はすぐにでも達しそうになる。
「う……く……ッ」
一旦抜いてから、再び突き入れる。
「はぁん! やぁ……ああん!」
「うー……すっげ……」
突き入れた衝撃で胸がぶるんと揺れ、その視覚的な刺激に俺は思わず呟く。
ゆっくり腰を打ち付けていくと、同じように柔らかな胸が上下に揺れた。
俺はそのうちのひとつを掴み、むにゅむにゅと揉んで形を変えていく。
「中ぁッ……すごく熱くッ……て、ああ……ッ!」
濡れた肉壁が蠕動し、身体を襲うは耐え難い刺激ばかり。
俺は夢中でユズリハを突き上げた。
「ひあッ、あッ、はんッ……やあ……ッ」
ずちゅ、ずちゅ、じゅぷ……
空気を含んで泡立つふたりの体液が、卑猥に音を立てる。
「やあぁッ、あ、あッ、やぁん……ッ!」
ユズリハの嬌声と相まって、俺はますます興奮する。
射精感を抑えながら腰を動かしていくが、そろそろそれも限界だ。
「んッ、あんんッ……き、気持ちいいんですぅ……ッ!」
俺は彼女の掻き回すように無茶苦茶に腰を動かした。
腰を叩きつける度に鳴る、肉を打つ音も激しくなる。
「ひゃあぁッ……イッちゃう、イッちゃいますッ……やぁッ、あああああ――ッ!」
びくびくと収縮するユズリハの中で、俺は自分のものを弾けさせた。
圧倒的な快楽に飲まれそうになりながら、俺は深く息をつく。
(中に出しちまったけど……平気、だよな?)
そんなことを考えながら、襲い来る気だるさと眠さに、俺は支配されそうになっていた。
「う……」
小さく呻き、俺は再び大きく息を吐く。
そしてずるん、とユズリハの中から自分のものを引き抜くと、窓際のティッシュに手を伸ばした。
窓からは白い月の光が差し込んでいて、俺の顔を眩しく照らす。
俺は窓の外を覗き込んで、呟いた。
(――あの中に彼女の故郷があんのかなァ)
窓から見える空には、星がきらめいていた。
――絶頂を向かえ、失神したように眠るユズリハの顔は至極安らかだ。
言われなければ、彼女が宇宙人なんて到底思えない。
俺はそんなユズリハの顔を見やり、煙草とライターを手に取った。
火を点けて煙を吐き、星の輝く空を見つめる。
(何だかおかしなことになっちまったなァ)
これは神様の気まぐれだろうか?
言い方は悪いが、タダ――まあ、これが部屋代ということなのか?――でこんないい女と寝られる機会なんて万に一度だってないだろう。
しかも、俺が望めば毎日それが可能だなんて。
いやー、いいね。一週間二週間といわず、ずっといてほしいね!
突如として舞い込んだ幸運に、思わず顔がにやけてしまう。
せっかくの機会だ。存分に楽しませてもらおうじゃねえか。
(とりあえず、寝るか)
煙草を揉み消し、俺は大きくあくびをする。
ただひとつだけ気になることがある。
ユズリハの見せた、俺の望む相手――あれは本当なのだろうか?
ちらちらと脳裏に浮かぶあの眼鏡の仏頂面。
俺はそれを掻き消すべく、早く寝てしまおうと布団を被った。