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エッグスタンド〜One party〜
【幼馴染 恋愛小説】

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エッグスタンドU-1

 翌朝。オレは自宅を早く出て沙那の家の前で待った。昨日の出来事が不安で堪らなかった。

(7時半…ちょっと早過ぎたか)

 それから、寒気の中、身を震わせ待っていたが、アイツは現れない。

(8時…何やってんだ…?)

 結局、玄関は開く気配さえない。オレは仕方なく学校に向かった。




 学校でオレを待っていたのは停学処分だった。どうやら、昨日の暴力沙汰がバレたようだ。
 そのまま、教室とは別の部屋に連れて行かれ、先生の監視の中、自習と反省文を書くだけの時間が過ぎる。

 …こんな事やってる場合じゃないんだ。このままじゃ…

 その時、ポケットの携帯が震えた。オレはトイレに行くのを願い出て、トイレの中で携帯のディスプレイを見た。

 沙那だ。

 すぐに通話ボタンを押した。そこから聞こえて来たアイツの声を聞いて、オレはトイレの窓から学校を抜け出した。




 40分後、オレはアイツん家の玄関チャイムを押していた。

「あらあ!薫くん、しばらくぶりねえ」
「…ども」

 わざとらしい。オレん家から数十メートルしか離れてなくて、毎朝、ココを通るのを知ってるクセに。この人はオレにまでヨソヨソしい。

「沙那は居ますよね?」

 オレの問いかけに、沙那の母親、オバさんは渋い顔を見せる。

「ごめんなさいねえ。あの娘ね、朝から居ないのよ〜」

 学校来なくて自宅に居ないなんてあるのかよ。

「何処、行ったんですか?」
「…それが、私にも分からなくて」

 休んだうえに何処に居るかも分からない。そんなの親か?

 オレはガマンならなくなった。

「ああ、そうなんですか」

 オレは、イヤがるオバさんの態度を無視して玄関を分け入った。

「ち、ちょっと!薫くん。勝手に入らないでよ」
「沙那は中に居るんですよね」

 オバさんは、オレの身体を掴んで言い訳がましい言葉を並べる。

「あの娘ね、昼から居ないの!ホラ、あの娘、放浪癖があるから」
「それは先刻、聞きましたが?」
「あの娘の居ない部屋に、貴方を勝手に上げたら…」
「オバさん…」

 オレは、この人の言い回しにうんざりした。


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