投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

想いのいきつく果て
【女性向け 官能小説】

想いのいきつく果ての最初へ 想いのいきつく果て 2 想いのいきつく果て 4 想いのいきつく果ての最後へ

想いのいきつく果て-3

たわいもない話ばかり
だけど、時折、私を女だと自覚させるような発言をしてくる。

『紘子のそういうとこ可愛いな』
とか
『いつでも電話してな、非通知でもええから』
とか
『近かったらすぐにでも会いに行きたい』
とか・・・

それってお気軽女にしたいのかとかも思っちゃったりするけど。
彼女ふたりもいるし。

でも・・・

嬉しくないって言ったら嘘になる。

さっきの電話でも、何度となく、彼女より紘子と話してるほうが楽しいって言ってた。
お世辞もあると思う。

まあ本気じゃなくても、私も楽しかったから、楽しいのは間違いないと思うが。

そうやって、暫くメールのやりとりをした。

しのは、今日は、先輩の引っ越しの手伝いに行くらしい。

『じゃあ暫くメールはしないね、先輩の引っ越し大変でしょ?』

『メールはいつでも出来るし、気つかわんでええよ』
『だって、しの、友達といるとき、彼女からのメールや電話だっていやだって言ってたじゃん、さっき』

『紘子はええの。
ほんま、メールでも電話でも大歓迎や』

そんなこと言われて嬉しくないわけない。

暫く、携帯の画面を見つめたまま、自然としのにダイヤルした。


非通知ではなく。


何回かのコール音のあと、しのが出た。

「はい、誰?」
不機嫌極まりない声で。

「あ、私。紘子。
ごめん、急に電話しちゃって」

「えっ!!?紘子?
だって、番号。」

「うん。これ、私の番号」
「めっちゃ嬉しい!!
ありがとな」

さっきの不機嫌な人と同一人物とは思えない変わりようだ。
ほんとに心から嬉しそうだ。

「これで、紘子と切れなくてすんだ。
ほんま、嬉しいわ」

とりあえず、引っ越し先に向かうらしいので、早々に切った。


想いのいきつく果ての最初へ 想いのいきつく果て 2 想いのいきつく果て 4 想いのいきつく果ての最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前