ふたりだけのイヴ-4
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同じ町の、同じ中学に通っている二人。
ステキな彼ととても仲良しで、みんなに羨ましがられている私。
学生服についている小さな糸くずを取りながら、
「ほら、気をつけなくちゃだめよ。」
と私が言えば、彼は優しく笑みを含む目で私を見つめているの。
いつまでも・・・
おつかい帰りの私を乗せて、彼は軽くペダルを踏むの。
「ねっ、お友達が冷やかしている。
降りるわ、止めて。」
と言う と、
「構わないさ。
気にしない、気にしない。」
と、受け付けない彼。
降ろしてくれなかった仕返しに、ちょっぴりふくれてやった。
(でも、嬉しい!)
彼が謝らない。
強情っぱりの二人は、それから三日間、一言も口を聞かずでした。
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アコは二人がモデルよ、と少し頬を赤らめながら言う。
トシがとても素敵だ、とほめてくれる。
そしてそれでは、とアコの前に立ち止まり、その可愛らしいおでこに軽くキスした。
アコの小さい胸は、喜びにふるえた。
が、燃えるような口づけを恐れつつも期待していたアコには、物足りなくもある。
「子猫ちゃんのおでこは、おいしいね。」
照れ隠しのトシの声は、妙に固かった。
”やっぱり子供扱いなのね。
私、真剣なのに・・・・”
冷たい雪は、まるでトシの心を苛むように、間断なく降り続いた。
「アコも来年は高三です。
受験のこともあるので、交際は控えてほしい。
それに、君は中卒だろう。
えっ、定時制高校卒業?
何にしてもだ、世間体もある。
よろしく頼むよ。」
アコの父親の言葉が、トシの心に突き刺さる。
”今日で、お別れだ。
さよなら、アコ・・”
トシの、言葉にならない声だった。