振り向けお前っ!9話〜夏と海と・・・後編-6
「くそ、浅いとはいえ、水に足を取られないのかあいつは!」
「あんたの攻撃なんか止まって見えるのよ。」
仕方ないので接近して当てようとするが、近づこうとすると蹴りを繰り出してくる。
「うぉっ、あぶねえ・・」
「近づけるものならやってみなさい!」
悔しいが、格闘では勝てる気がしない・・・ので、気が引けるが
「輝ぁ!手伝ってくれ。」
助けを求めてみることにした。
「えぇ!?なんで僕!」
「別にいいわよ、何人でもかかってらっしゃい。」
「はぁ・・・分かったよ。」
そう言って近づく、そして作戦が告げられる
「まず――で、――そして俺が後ろに回りこむから、とりあえず避けれるだけ避けて。」
と言われた。
絶対出来ない。と思ったけど出来るだけやろうと決めた。
そして、作戦が決行される。
まず、悠太が動く、阿佐美も悠太を追う
そこに輝がわざとはずすようにそして気づかれるように水鉄砲を撃つ。
「へぇ、まずやられたいのはアッキーのほうかしら?」
アッキー?
またいつの間にかあだ名を付けたのかと全員が思った。
「ははは・・・、はぁ、とりあえず逃げます!!」
「こらぁ待ちなさい!!」
阿佐美は一人に集中すると周りが見えなくなるときがある。
つまり今がその時、悠太が後ろに回っているのを不覚ながらも気づかなかった。
「アッキーさっきの威勢はどうしたの!」
「うわっ、わああああ。」
阿佐美が輝を集中狙いしているところを、回り込んだ悠太が阿佐美の肩をぽんと叩く
「ん?」
と振り向いたときに顔に水がかかる。
「ひゃ!」
そして、
「薫や北條さんは気が引けてやらなかったけど・・・阿佐美だし、いっか。」
と残して、
ザッパーーン
阿佐美を海に沈めた、このとき悠太は始めて阿佐美に勝った。と思っていた、腹部に激痛を感じるまでは。