ラブマッチ-2
「じゃーん!!」
「何これ…」
「開けてみ?」
あんた今どっからそれ出したよ。あんたの周りは四次元ですか?
「何これ…」
「まだ分かんねぇのかよ。婚約指輪だろ」
アタシの右手の薬指にそれはめられる。
「こないだは何て言うか、宣言だけだったろ?何か自分で言っときながら実感無くてさー」
彼氏はけらけら笑う。逆ギレンジャーはたった数秒で逆ギレンジャーじゃなくなった。
「やっぱお前にそれあげたくて、今日もう一回言うわ」
あんたはアタシをどこまでも裏切るんだね。
「四年目の記念日に改めて言います。俺、ガキだし頼りないし責任感皆無だけど俺と結婚してください」
良く分かってんじゃん。
しっかしアタシも相当ヤバいね。
こんな裏切られ方したらアンタにまた何度も期待しちゃうじゃん。
完璧に病気だ、こりゃ。
「うん…!」
「よし、明日から貯金するぞ。だから、今の内、抹茶アイス買いに行くか」
何その、いたずらっ子みたいな笑顔は。
「ふふ…うん」
本当にあんたはアタシを上手い具合に裏切ってくれる。
【end.】