命の尊厳〜a short story〜-5
「…お、おまえ達。このような…」
側近のひとりは得意気に話す。
「現在、首のすげ換え手術の開発を急ピッチで行なっております。
完成されれば、閣下は前以上に、精力的に公務をこなすことが出来ます」
「…お、おまえ達、気は確かか?」
ジョンイルの問いかけに、ゲタンはニヤリと笑った。
「閣下…我が国には数百万にのぼる、思想教育が必要な不穏分子が強制収容所に入っております。奴らも閣下のために命を捧げられ、さぞ本望だと思います。
なんと言っても、閣下は“我が国の太陽”ですから。死なれては困るんですよ」
ジョンイルの断末魔の如き声が部屋に響き渡った。
…「命の尊厳」〜a short story〜完…