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夏の終わりに
【教師 官能小説】

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夏の終わりに Last-2

「砧!4、6、3だ!」

 かけ声とともに白球が飛んで来る。私は地面を蹴り、目いっぱいに手を伸ばしてグラブで掴む。

「もういっちょう!」

 コーチの声が響く。炎天下のグランド。私達内野手は必死になって打球を追いかける。


「今日もキツかったな」
「仕方ねえさ、さ来月には新チームで秋季大会だろ」

 練習後、部室ではチームメイト同士でその日の出来事を話題に、談笑を混じえて会話が飛び交う。

 そんな中、私といえば、

「…じゃ、お先に」

 急いでユニフォームからジャージに着替えると、逃げるように部室のドアに向かう。

「なんだよ砧。今日もさっさと帰っちまうのか?」
「最近、つきあい悪いな、おまえ」

 チームメイトの太田や川上が声を掛けてきた。

「…ちょっと用があってさ」

 私は、そう伝えて部室出て行った。気持ちはそこに無く、すでに準備室にあった。

「お待たせしました!」

 あの日、交わりを重ねてからというもの私を見る篠原は変わった。
 目を潤ませ、頬を上気させたその表情は、ある意味、待ちわびているように見えた。私は、それだけで気持ちが昂った。

「…じゃあ、準備して」

 言われるまま、私は衣服を脱いで彼女に裸を晒す。

「…いいわ」

 篠原は、射るような眼差しで私を見つめ筆を走らせる。
 潤ませた目、力の集中した目。まるで明と暗のような二つの表情。私はどちらの彼女も好きでたまらなかった。

 私の頭は、その後に訪れる淫猥な場面だけを思い描いていた。




 夜。夕食、入浴を終えた頃。 明日の用意をしている私の部屋に愛理が訪れた。

「シュウちゃん…」

 相変わらずのキャミソールにショートパンツという軽装。しかし、その表情は何か思いつめたモノだった。

「あの…このところ…その…」

 私はグラブを磨く手を休めて愛理を見た。その顔は、準備室で見た篠原を思い起こさせた。

 “私の中の私”が頭をもたげる。

「…どうした?こんな時刻に」

 問いかけに答えず、ただ俯いたままの愛理。

「用があって来たんだろ?」
「…あの…」

 呟くような声で発しているため途中から耳に届かない。私の中で欲望が行動に変わった。

「用ってのは……!」
「キャッ!」

 愛理の腕を掴み、その身体を壁に押し付けると無理やり口唇を重ね合わせた。


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