今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT1>-7
「うん。お願い」
「樹里さんが来るとやっぱり嬉しい。今日も、最後までいるんですよね?」
「いるわよ、もちろん」
「樹里さんいないなら、椿さんどう?」って言ったのどこのどいつ?!
何で、いろんな女を同じように誘えるわけ?
信じらんない!
あたしはあまりにムカついたから、「ちょっとトイレ」と一言残してトイレへと向かった。
ムカムカする。
ユースケ君見てると、ムカムカする!!
そんな風にいらつきながら、トイレに入る。あたしは洗面台の前に立ち、鏡で自分の顔を見た。
…ひっどい顔。こんな苛ついて、怒った顔…樹里に見せられないなぁ。樹里、気遣うから…。
そう思っていると、トイレのドアが開いた。
そこに立っているのは…ユースケ君…。
ニコニコしながら、洗面台の前に立つあたしに近づいてくる。
「どーしたの? 椿さん」
「…ムカムカするんです」
「妊娠したの?」
「…違います! ユースケ君にムカムカしてるんです!」
ユースケ君の言葉や行動が、あたしを苛つかせる。
「樹里に失礼だと思わないんですか?」
「思わないですよ。だって、樹里さんだって割り切ってるもん」
「だからって!」
そう言って怒るあたしの手を掴んで、ぐいっとあたしの腰ごと、反対の手で引き寄せるユースケ君。
そして、あたしの唇には…ユースケ君の唇が。
「んっ…くっ…」
舌が、絡まる。
唇のまわりが唾液でべたべたになるほどに。
「うっ…んっ…」
無理に抵抗しようとするから、あたしの歯がぶつかりそうになる。だけど、その歯列さえもなぞりながら、あたしの体を抱き寄せる手にさらに力が入ってく。
そしてユースケ君はあたしの腰に回した手を滑らせ、あたしのスカートをめくろうとしながらヒップに手を這わせた−−−
「…やっ…!!」
ドンっ、とユースケ君の体を両手で力一杯突き飛ばす。
最低!
今こいつ、あたしに何した?!
「結構、着やせするんだ。触らせないのはもったいない」
突き飛ばされたくせにクスクスと笑うユースケ君。
何でこんな…こんな男にキスされなきゃいけないのっ…!
「最っ低!!」
バチン!! という音。
あたしが、ユースケ君の頬を思いっきりひっぱたいた音。
「いってぇ…」
あたしが叩いた頬を手で押さえながら、眉間にしわを寄せる。
…男の人を殴ったのなんて初めてだ。真っ赤になった手を見ながら、ゴクリと唾を飲み込む。
どうしよう…叩いちゃった…