桜が咲く頃〜想い〜-3
『どうして…』
震える声でそう尋ねると、矮助は困ったように笑い
『好きだから』
『そんな…』
『信じられないなら何度だって言うよ。
俺は鈴が好きだ。
好きだ。
好きだ。
好きだ』
鈴は涙が溢れて止まらなかった。
(矮助は、何でこんなに優しいのだろう…)
矮助の言葉は、鈴を優しく包み込み、心の奥の奥の奥まで光を届けた。
それは、まるで魔法の言葉…
鈴は、自分を認められたような気がして
嬉しくて、暖かくて
矮助のこと、好きだっと思った。
好きな人に好きと言って貰えて、とても幸せだった…
矮助は優しく鈴を抱きしめた。
鈴はその暖かい腕の中で、静かに泣いた─―