振り向けお前っ!8話〜夏と海と・・・前編〜-1
薫の急な変化から早くも1週間が過ぎようとしていた。
「んーだいぶ、薫ちゃんの変化にも慣れたわね。」
「当たり前だ、1週間過ぎても慣れてもらわなかったら、薫が可哀相だろ。」
「いえ、私は別に時間がかかっても平気ですけど・・・」
「そういえば、親とかびっくりしてなかったか?」
そう聞くと、少し困ったような顔をして。
「お母さんが、今・・・言葉じゃ表せない状態になっていて・・」
「・・・・驚き過ぎて放心してるのか・・。」
全員で苦笑する。
「はは・・・無理もないか。」
そこで話題が切り替わって
「もうすぐ夏休みですね。」
と言う輝の一言で、話が何だか、凄い方向へ行ってしまった。
「そうよ!夏休みよ。」
「それが?」
その後少しフフフと笑って・・・・嫌な予感がした。
「前回は、4人だったけど、今度は5人で何処か行きましょう!!」
また、突拍子もない事を言い出す。
「はい!?また泊まりか?!」
「もっちろんよ。」
「ふざけんな!前回、だって成り行きでただになったけどな、今回泊まる金なんてある分けないだろ。」
そこで阿佐美が押し黙る。
「・・・・」
「分かったか、もっと前から決めないと無理なんだよ。」
そこで愛華が話に入って来た。
「あ、あの、ちょっといいですか?」
「へ?あ、うん」
何気なく聞き返す。
いや、あの時は聞き返さないほうがよかったのかもしれない。
「私の家の別荘がある所なら泊まる所は問題無いですけど・・・?」
そんなこと言わないでほしかった・・・・だからとっさに
「いや、でも悪いだろ。」
と言う言葉が出た。
「あ、いえ、別に皆さんだったら構いませんけど?」
逆に言葉で押し返された。