振り向けお前っ!8話〜夏と海と・・・前編〜-6
「はいはーい。」
と声がして。
「あれ、悠太どしたの?」
と輝が顔を出す。
「あー、えっと後日の旅行なんだが、3泊4日になった。」
「それはまぁ、ずいぶんと長いね・・・。」
「まぁ、これでも結構短くしたんだ。」
阿佐美を説得しなければ1週間になっていたからな・・・
「短く?」
「ああ、いや何でもない。」
「ふーん、分かった3泊4日ね、教えてくれてありがとう。」
気にしないでくれと、返した後、別れて、次は薫の家へ向かう。
そして輝の家どうようにインターホーンを押すと
「あ、悠太君。」
薫が出てくる、
いまどき親が出てくるのが少ないのか?
などと思いつつも、用件を伝える。
「えっと、今度の旅行だけど・・。3泊4日になったから、よろしくね。」
「3泊4日ですね、分かりました。」
意外とあっさり通った。
じゃ、と一言残して薫の家を後にする。
さすがに近いだけあって、用件が伝えやすい。
が、問題は愛華だ。
頼む立場になるわけだが、あっちにも事情があるだろう3泊4日で了承してくれればいいのだが・・・。
「あら、どなた?」
愛華の家を訪ね、出てきたのが母親だった。
ついでに、家はやはり、お嬢様と言われていたのであろう、近くに行くと、自分や輝たちよりも豪華に見えた。
「あ、えっと、北条さんの友人で、神木と言います、ちょっと北条さんに用があって。」
「あら、あなたがそうなの」
「へ?」
「愛華が新しい友達が出来た言っていたから。」
そう言うことか。
「あ、愛華に用ね。ちょっと待っててね。」
と言うと家の中に戻る。