連鎖-6
『に、、、げぇぇぇぇろぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
慎ちゃんの苦しそうな声が聞こえてき、英義は急いでその場を去った。
一階に着いた英義は、出口へと駆けていった。すると、そこら中の本棚が倒れ始め、とてつもない音が耳に響く。たまに、自分の方にも倒れてくるため、よけなければいけない。
そして、何とか出口に着いた英義は愕然とした。出口が閉まっており、鍵が開かない。何とかこじ開けようとするも、どうしても開かない。そんな中、奥の方から髪の毛のような黒い物体が押し寄せてくる。
ますます焦った英義は、叫んだ。
『助けてくれっ!!!!!誰か!!!助けてくれっ!!!!!!!』
どんどんと音をたててガラスの扉を叩く。どんどん黒い物体が迫ってくる中、英義はひたすら叫び続けた。
すると、ガラスの向こう側から誰かが突進してくる。
『英義!どけろ!!!』
西田だった。西田は、大きな棒のような物を持って突進してきている。英義はそれが西田だと気づき、すぐに端によけ、ガラスを割ってもらった。
『サンキュウ西田。』
『いいから、行くぞ!!』
西田は英義の腕を掴み、逃げようとした。しかし、英義が動かない。それだけじゃない。今までよりも数段重い気がする。変に思った西田は、ゆっくりと英義を見た。すると、そこにいたのは英義ではなく、長い髪を下げた女の子だった。西田はそのまま図書館の奥深くへと引きづられていった。
一方英義は、そのまま何事もなく出口に向かっていた。西田が引きづられてから一分が過ぎ、ようやく英義は到着したのだった。
『あれ、扉が割れてる。何でだ?』
変に思いながらも、出られることに感謝し外に出た。
これで終わったんだと一息ついた英義の目の前にはあの本があった。しかも、何故か裏向きの状態で。
風が吹きページがめくれた。めくれたことによって、表紙が見えた。
するとそこには、血で、
〔佐野英義〕
と書かれていた。