二個目の苺〜カフェオレ〜-4
「…唯」
「何……んっ!」
突然唇を重ねられる
…うそっ…舌まで?!
「…んっ…ふぁ…」
竜の舌が素早く口内を犯して、唇を離す
「おい、お前」
竜が元彼を睨む
「お前が色気ねぇって振った唯ちゃんはキスだけでこんなに感じてんだぜ?
ただ単にお前が下手くそだったってことだよ」
元彼が何かを言おうと口を開く前に、竜が近づいて行って胸倉を掴んだ
「それから…
…今度『唯ちゃーん』なんて言ったら、その口縫い付けてやっからな」
竜はそれだけ言うと、私の手をぐっと引っ張ってさっさと歩き始めた
***
「おーい」
ずんずん歩く小さな背中に声をかける
「唯ってばー」
俺が呼んでも耳を赤くして答えない
「唯ちゃーん」
「もーうるさいっ」
真っ赤な顔で振り向く
「何怒ってんの?」
「なっ何って、当たり前でしょお!ひ、人前であんなキスしてぇ…」
「だって、しょうがねぇだろ」
こいつは俺の物だって、
俺が愛してやると、こいつはこんなに答えてくれるんだって、見せ付けてやりたかったから
…なんて絶対言えねぇけど
「しょうがなくないよっ」
膨れる唯を後ろから抱きしめる
「…嫌だった?」
「嫌、じゃ、ないけど…
…私は、竜がその、上手いから好きなわけじゃないもん」
?…
あぁ、さっき言ったことか…
つい吹き出してしまう
「下手な奴よりいーだろ?」
「……」
黙り込む唯の耳元に唇を寄せる
「…うち、来るか?」
唯は更に赤くなって、そっと頷いた…