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右腕<初恋
【初恋 恋愛小説】

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右腕<初恋-3

―翌日

望月アリサとあの事故のときの少女に似ている点があったため朝から俺は考え込んでいた

(同一人物だろうか…それとも似てるだけか…)

考えても仕方がなかったのでパジャマから制服に素早く着替、朝食をたべてから朝の寒い道を学校に向かって歩き出した

昨日の横断歩道で足止めをくらっていると後ろから望月が現れた

「おはよう。今日は煙草すってないのね」

冷たい風に望月のブロンドの髪が流されている

「同じクラスの人にみられるとなんとなく嫌なんだ」

横断歩道を見たときに走る右腕の痛みを抑えながら話した

そして急に痛みが強くなり俺はとっさに左腕で右腕を押さえた

「ねぇ。もしかして怪我してるの?」

「いやそんなんじゃない。6年前に事故にあって、右腕を骨折して以来横断歩道をみるとなぜか痛くなるんだ」

「その話詳しく聞かせてくれない?」

望月の表情が一変して真面目なものになった

「いいけどつまらねぇよ?」

「いいから話を続けて」

「6年前にな母親と年末に真冬の道を歩いててさ、横断歩道で赤信号だったから待ってたら向かいの歩道に仲がいい親子がいたんだ。それでな恥ずかしい話なんだけどよ、その親子の子供に一目惚れしちまったんだ。ブロンドの長い髪に青い瞳が印象的だった。」

「それで?」

「その子がさ路面凍結した横断歩道を走り出したら転んで、そこに車が突っ込んできて、気が付いたらその女の子に向かって走り出してて俺が女の子かばって右腕骨折ってわけよ。父親と母親から見直したって言われたけど友達からは死にたがりっていわれた」

笑いながらはなしていると望月は突然泣き出した

「おいおい、そんな感動することでもないだろう?」

背中を軽く叩いた

「だって…私のせいでそうなったんでしょ?」

「はい?まあ望月と特徴は似てるけどさ別人じゃないの?」

「その女の子は私よ…6年前に車にひかれそうになったとき同じ歳の男の子が命がけで助けてくれたって両親がいってた…」

詳しく話を聞くと望月は俺に助けられてから申し訳なく思い俺に会いにこれなかったのだという

子供心に傷がついてしまったのだろう

事故があってから数日後に両親の仕事の都合で北海道から離れ今年戻ってきたらしい


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