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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - 白昼夢 --7

「さて」
「ん?」
昼飯を喰い終わり、教室に帰る途中。
「どこ行くん?」
なぜか逆方向へ行こうとするコタロー。
「いや、部長に呼ばれてるから行ってくるわー」
なるほど。
「んじゃ先行ってんで」
「あいよー」
そのまま別れ、部屋に戻る。
その途中、カイトのクラスを軽く覗いてみる。
「・・・・」
まだ飯を喰ってるのか、それとも他の場所で時間を潰しているのか、居なかった。
考えてみれば、あの一件があってから約2週間。オレの方が少し避けているような所があった。
別に家でも逢うし、まったく喋らないわけでもないんだけど・・なんとなく。
まぁカイトが突拍子もないことを言ったりやったりするのはいつものことだし、慣れてた筈なんだけど・・・。
そんなことを考えながら、いつの間にか自分の教室、自分の机。
昼飯を喰ってすぐ後。自然と眠くなる。
オレは気だるさに身を任せて、そのまま瞳を瞑った。

・・・・・・。

大丈夫かと、男の人が訊いてくる。
オレはなにも言わず、見つめ返す。
一言謝られた後に、眉毛の横当たりに触れられた。
鋭い痛みが走る。
顔をしかめ、首を振る。
男の人はハンカチを取り出し、少し強めに押さえた。
そのままオレに、そのハンカチを押さえさせる。
ここじゃ手当てが出来ないから、と言って、おんぶされた。
男の人が一歩一歩進む度に、身体が上下に揺れる。
後ろを見ると、さっきの奴らがヨロヨロと立ち上がり、後ろを付いてくる。
誰も一言も喋らず、そのまま5分ほど進んだ。
学校に着いた。
いつも通ってる小学校じゃなく、近くにある中学校。
後ろに付いてきていた3人は、途中で違う方向へ歩いて行った。
オレはおんぶされたまま、部屋へ。
消毒薬の匂いがする。
保健室だろうか?
降ろされ、座るように言われる。
押さえていたハンカチを取る。
べっとりと血がついていた。
痛かったら言ってねといわれ、濡れたタオルで眉毛の横と、耳の下をよく拭かれた。
拭かれる度に、ちょっと痛い。
でも別に、騒ぐほどの痛みでもない。
そう思って、なにも言わないでおく。
瞳を瞑ってと言われ、閉じる。
冷たい液体の感触。ピリッとした痛みが走り、思わず呻きをあげる。
一瞬男の人の手が止まる。
痛かった?と聞かれた。
首を横に振る。
ドアが開き、誰かが入って来た気配。
ふわふわしたものが、眉毛の横に当てられる。
その上に布みたいなものが重ねられ、テープで止められる。
瞳を開けていいと言われ、そのまま瞳を開ける。
さっきまで居なかった白衣を着た女の人が、タバコを吸っている。
目が合った。
微笑みかけられる。
一瞬、その姿が母さんと被った。
男の人にもうちょっとだけ我慢出来る?と聞かれ、意識を戻す。頷く。
耳の下。
もう一度濡れたタオルを押し当てられ、その後にまた冷たい液体の感触。
さっきよりも、ちょっと痛い。
けど二度目なんで、声は我慢した。
柔らかいものと布みたいなもの。テープ。
へえ、と、女の人が呟くのが聞こえた。
どうやら終わったらしい。
痛く無かった?と、聞かれた。
首を横に振る。
そう言えば、この人とちゃんと喋ってない気がする。
名前を聞かれた。
口を開き、答える。
なんで殴られてた聞かれる。答えた。


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