「demande」<高崎要>-5
両親がいないとはいえ、リビングでする気にはなれなかった。
ちとせは自分の部屋に高崎を招き入れると、ベッドに腰掛けた。
「どっ、どうしたらいいの?すぐ脱ぐものなの?」
「お任せいただけますか?お嬢様」
「…お嬢様はやめてほしいなぁ」
「どのようにお呼びいたしましょう?」
「…ちとせって呼んで?」
「呼び捨てにするのは気が咎めますね…」
「お願い」
「…わかりました。ちとせ」
―――どくん
男の人に名前を呼ばれただけでこんなにドキドキするもんなんだろうか…。
「わ、私も高崎さんのこと、要さんって呼んでいい?」
「もちろんですよ」
その瞬間、ふっと視界が暗くなり、要に抱きしめられたのだと気づくまでに数秒かかった。そして…
「…んっ」
優しく、ふわっとやわらかいキス。
これだけで腰まわりがくにゃっと溶けてしまいそうだった。
「…お任せいただけますか?」
…こくん…
額に、鼻に、頬に、首に…キスがどんどん下がっていく。
「あなたは本当に可愛らしい…。執事として、最高に幸せですよ」
そう耳元でささやかれたときには、背中に電気が走り、声すら
あげそうになってしまった。
ワンピースのファスナーをゆっくりと下ろされたら、あっという間に下着姿にさせられてしまった。ちとせは自分の貧相な体を恥ずかしく思い、両手で覆った。
「…恥ずかしいのですか?」
「ご、ごめんなさい…。私、色気もないし…女らしい体してな…」
ちとせが言い終える前に、要は彼女を押し倒していた。
「…充分、女性らしいですよ。とてもキレイだ」
こんなステキな人に見つめられてる…そう思っただけで全身が沸き立つような感覚になった。
要は下着の上からそっと彼女の胸に触れ、優しく揉みほぐしていった。そして、突起があるだろう部分を指でつまむように摩った。
「…あ…っ」
小さな声は確実に彼の耳に届いた。ブラのホックを瞬時に外し、胸を露にさせたかと思うと、少し冷たい舌が彼女の胸を這った。胸の周りからどんどん中心へとむかい、もう片方の胸をきゅっと摘んだと同時に舌は中心へと達した。