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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?6〜危機感認識の避妊知識・その1〜-11

「っ!」
直後、鈍痛。痺れを伴う痛みに思わず顔をしかめ、座っていた位置にすとんと落ちた。
傍から見れば、それはどうやって見ても挙動不審。ああだこうだと喋り続けていた健介も、意識を別の事に傾けていた哲也も、我に返った様子の誠司を怪訝な顔で見ていた。
「ど、どうしたんすか、倉本先輩?」
「んぁ?なんだよ、いきなり足ぶち当てて」
「あー……うん。多分眠くなってた」
向けられる視線からの心配ないし問いかけに、彼は慌てて取り繕う。それに対し二人は首を傾げたものの、すぐに興味を失ったようで、また元の姿勢に戻った。誠司は座り直し、今度はしっかり聞こうと健介の話に耳を傾けるのだが。
「なわけだから、ピルって意外と楽じゃねぇ避妊法なわけよ。わかるか?」
発せられたのは締め括りの言葉。しばらく考えに耽っていたせいで、ほとんどの説明が聞き取れなかった。しまった、と誠司は臍を噛む。
(ちゃんと知るチャンスだったかもしれないのに!)
いくら酔っているとはいえ、健介は間違った知識はまず押さえない。だから少しでも正しい知識を得る絶好の機会だった。しかし、彼は滅多な事がなければ、同じ事を二度も三度も言わない人間でもある。酔った勢いに任せていた可能性も考えると、後で彼から再び話を聞くのは難しい。
となると、後は自分で調べるしかないだろう。
(玲さんから直接聞くのは流石に気まずいけど、正しい情報を手に入れられるかな……)
気付けば、誠司は一人避妊についてどうやって調べるか、真剣に考え始めていた。


その頃、玲はある病院を訪れ、医師の診察を受けていた。その病院は、医師不足を始めとする数々の問題が山積みの医療現場では珍しい、人員や設備にとにかく恵まれた総合病院。それ以外にも様々な事情があり、彼女が懇意にしている所の一つとなっている。
「……」
玲の前で、医師は先程からカルテを相手に思案顔。難しそうな顔で思索に耽っている。その様子に、自然と玲は身構えてしまい、傍目にもわかる程固まってしまった。
「いや、そこまで身構えなくても、それほど重い病気ではありませんよ。安心してください」
「あ、そうですか?」
「はい。風邪ではありませんし、検診を受けられたばかりですから、危険な病気の可能性も低いと思います」
にこやかに語る彼の言葉に、構えを解いた玲はほっと胸を撫で下ろす。しかし、安堵も僅かなひと時だけ。今度は首を傾げ、医師に問う。
「では、急な頭痛の原因は一体何ですか?」
「……」
すると再び黙り込む医師。わからない、というよりも、言うのを躊躇っているように見える。その態度につられ、さてどうしたものか、と玲も思案に耽りそうになるのだが。
「貴女の立場などを考えると、少々言いづらいのですが」
意を決して、医師が口を開いた。思わず改まり、玲は身を乗り出す。
「霧澤さんは現在も経口避妊薬……ピルを服用されてますね?」
「あ、はい。ここで処方していただいてます」
「そうですか……」
医師の口から溜め息交じりの言葉。
続いて逡巡。
そして、おもむろに玲を見据えた。

「おそらく、そのピルが原因ではないかと考えられます」

玲の目が皿のように丸くなった。医師は彼女を気にしないようにして、話を続ける。
「ピルの処方の際に、副作用について言われませんでしたか?あれにはいくつかの副作用を引き起こす可能性があり、頭痛もその一つに入っています。今日だけのようですからまだ何とも言えませんが、もしピルが原因だとすれば、頭痛は続きますし、他の副作用も起こる可能性が考えられます」
そこで一旦言葉を切り、医師は玲を改めて見つめ直す。
見たところ、動揺してはいるが話を聞いていないわけではなさそうだ。そのように見て、医師は更に言葉を続けた。


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