「例え君が何者でも」-5
「姫代、起きろ」
私はまだ夢の続きを見ているんでしょうか?
「起きろって」
有介の声がします。
「姫代〜」
何で?あれ?有介は天国に行ったはずじゃ…。
「朝だぞ、姫代。遅刻すんじゃねぇの!?」
え?遅刻!?
「ダメーッ!て、ええぇぇー!?!?」
遅刻と聞いて飛び起きた私を更に驚かせたのは、有介が隣に寝てるっていう状況です。
「何でいるんですかー!!」
もぉ私、何も分かりません!夢か現実かも分かりません!
そんな私を尻目に有介は嬉しそうに
「天国行く途中でさ、やっぱり姫代ともっと一緒いたくて戻ってきちゃった、エヘッ♪」
エヘッ♪じゃ無いです!
「てことで、オレ、ここん家住むから姫代、ヨロシクな!」
有介は無邪気な笑顔でギュッと私に抱き付きました。
あの、これって、私有介と同棲するってことですか…?
「イィヤアアアァァァァァァア!!」
絶叫する私を有介はニコニコしながらいつまでも見ていました。
【終】