「ストロベリークリーム〜Nuts」-13
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「愁が恋人作るなんてねぇ、なーんかへんなカンジぃ」
「あんなスカシメガネと付き合う奴の気が知れないぜ」
紺と竜が話しているが、聞こえない振りをする
「ねぇ、愁。愁は天使に出会ったのぉ?」
紺が僕に話しかける
僕はいつもの笑顔を作って答える
「そうかもしれないね」
「ふーんそっかぁ。
馬鹿王子は世間知らずなお姫様と幸せに暮らし、迷える旅人は女神様に助けられて、
聖人君子は天使に出会った、ってとこかなぁ」
…聖人君子?笑わせてくれる
紺は分かっているくせに、時々僕を試すような事を言う
…悪魔は、天使を見つけた
天使を手に入れ、真っ黒い羽に変えてしまった
天使が知らず知らずのうちに堕天使に変わる瞬間を見ることは、僕のこの上ない幸せだ…
「僕だけの天使…もう逃がさないよ」
…二人には聞こえない声で、小さくつぶやいた…-------