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淫蕩淫魔ト呪持
【ファンタジー 官能小説】

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淫蕩淫魔ト呪持-1

第一章 響く、夜

まったく寝苦しい夜だと、男は感じた。
此処最近、安らかに眠れたことがあっただろうか。

森に梟の鳴く声が静かに響く。
時折吹く風にざわめく森は、月が出ているにもかかわらず、不気味なほどに暗い。
その闇の中、男が小さく呻きを上げた。
「う……」
寝苦しい夜――下半身がどうにも熱い。
焼けつくような熱は、まるで幾度も受けてきた"呪(のろい)"のようだ。
「ッ!」
「あ、残念。起きちゃった」
飛び起きると同時に、男はすみれ色の瞳と目が合った。
白い肌は月明かりの下、陶器のように薄っすらと輝いている。
男がその細腕を掴むと、すみれ色の瞳の少女は微苦笑した。男は顔を歪め、同時に彼女の腕の熱さに驚く。
おそらく昼間ならば、彼女の頬やむき出しの肩が、上気して紅色に染まっているのが分かっただろう。
「てめえか、淫魔」
男は低い声で恫喝するように言った。
「あん、怒らないでよ」
剣呑な眼差しを受けてもまったく臆さず、少女は艶かしい瞳と仕草で男の首に自分の右腕を絡めた。
左の手は――男の股間をまさぐっている。
「どけ。その気はない」
「その気になってよ、ズッカ」
ズッカと呼ばれた男――ズッカ・スークは、少女の身体を突き飛ばした。
彼にしてみれば軽く押したつもりだったようだが、彼女の倍近くある体躯だ。
小さく悲鳴を上げ、少女は尻餅をついた。
しかし彼女は怒るでもなく、再びズッカに擦り寄る。
「だってだって、もう三日もおあずけなんだよぉ?」
ズッカは彼女の言葉などまったく聞いていない様子で、再び寝床に横になる。
「あたし達淫魔にとってはご飯食べられないのと同じなのに」
「なら、餓死しろ」
薄情にもそう言い、ズッカは少女をむくれさせた。
「こんなにキルシェちゃんが頼んでるんだよぉ?」
横になったズッカの身体をゆさゆさと揺らして起こそうとする。
「疼いて眠れないよぉ」
「なら、ひとりでヤッてろ」
ズッカはそう吐き捨てて寝返りを打った。
その言葉にはさすがにむっとした様子で、淫魔キルシェは立ち上がると、彼が寝床にしている樹の下から少し離れたところに腰を下ろした。

「ひとりでするから、いいもん」
言うと、キルシェは自身の秘所に手を伸ばす。
顔つきとその細身にそぐわない豊満な乳房をゆっくりと揉みながら、彼女は赤い舌を出した。
「ん……あッ、ああ……」
既に息は荒く、秘所から聞こえる水音も大きい。
静かな森に音が響く。
「あッ、あッ……あん、や……」
彼女の中を出入りする、三本に増やした指は、彼のものに見立てているのか。
空気を含んだ淫猥な水音とキルシェの嬌声は次第に大きくなり、その間隔を狭めていった。
「ああッ、あッ、あん……ズッカァ!」
「うるせえ」
くちゅ……
キルシェの指が、秘所から抜かれる。その細い手首を掴んだズッカは、歪めた顔をキルシェに近づけた。
「くそ、うるさくて眠れやしねえ」
左手で手首を掴んだまま、彼女を組み敷いてズッカは言った。
言いながら、右手で屹立した彼女の乳頭を摘む。
「あんッ!」
白い喉を仰け反らせ、キルシェの身体が跳ねた。
ズッカは苛立った様子で自身の一物を取り出す。既に硬くなっていたそれを、キルシェの濡れた秘所に宛がった。
「一回だけ、だからな」
ぞくりと快感が背筋を駆け抜け、少しだけ上ずった声でズッカが言う。
そして、言葉と同時に一気に挿入した。


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