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淫蕩淫魔ト呪持
【ファンタジー 官能小説】

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淫蕩淫魔ト呪持-8

「お前は知ってるのか」
「五十年に一度目覚める悪魔?」
キルシェは腕組みをして首を捻った。
「何十年に一度目覚めるって悪魔は結構いるからね。あたしまだ三十を超えたところだから、そういうことも詳しくないしなぁ」
(三十……!?)
口にこそ出さなかったが、内心ズッカは彼女の年齢に驚いていた。
容貌だけで見ると十七かそこらの少女である。
もちろんズッカも職業柄、悪魔の寿命や姿形のことをそれなりに知っている筈なのだが――実際に言われるまで気が付かないものだ。
「でも、もしかしたら見た目は若いかもしれないね」
「どういうことだ?」
「悪魔の中には何十、何百年って眠り続けるのも少なくないの。力を蓄えておくためにね。だから、強大な力を持った悪魔で五十年の眠りなら浅い方かも。そういう悪魔やあたしみたいに常時起きていられる淫魔って、身体のつくりが若いんだよ」
悪魔によって、姿形も年齢も眠りも様々、ということである。
大した手がかりではないが、それでもないよりはましだ。
ズッカは懐に手を伸ばし、先程店主から受け取った報酬の袋を取り出した。
「三枚、か。今日は宿屋で眠るか」
そうひとりごち、ズッカは街の宿屋に向かった。


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