キライ @-5
えーっと……。
まだぼんやりしてる頭で何があったか思い返す。
涼子に頼まれて一緒にバスケ見に行って……
そしたら大迫が借り返せって言い出して……
あーー!!
思い出した!
女の子達に向かって、かっ、かっ……
カノジョとか言ったんだ!
何で私があんな奴のカノジョなの?!
冗談じゃないっ!
明日、絶対に取り消してもらわなきゃ!
あー!腹立つ!
怒りでクッションをボカスカ殴っていると携帯が鳴った。
誰?
ディスプレイを見ると『ダーリン♪』と流れてる。
何?これ?
イタズラかなぁ?
とりあえず恐る恐る出てみる。
「早く出ろよ」
はぁ?
「あの…どちらにおかけですか…?」
「ばーか!俺だよ、俺」
ん?
この人を小馬鹿にしたような声…。
もっ、もしや?!
「お、大迫…?」
「当たりめーだろが!気付けよ」
猛然と怒りが湧き上がってきた!
「あんたねー!何、人の携帯に勝手に登録してんのよ!」
しかも、ダーリン♪だなんて気持ち悪い!
「昨日拾った時にちょいちょいとね」
「それなら名前入れときゃいいでしょ!何がダーリンよ!ふざけないで!」
「お前、カノジョだろ?」
大迫の言葉にハッとした。
そうだ!
取り消してもらわなきゃ、明日大変な事になる!
「あんたね!何言ったか自分でわかってんの?!カノジョなんて言われてこっちはいい迷惑なのよ!明日絶対に取り消して!」
一気に怒鳴る私に妙に冷静な口調で大迫は返事する。
「だから貸しを返してもらうって言ったろ?お前借りたもんも返せねーのかよ」
「それとこれとは話が別でしょ!あんたのカノジョなんて迷惑なのよ!」
「じゃあどうやって返すつもり?」
えっ?
そんなの考えてなかったし…。
とりあえず急いで考える。