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キライ
【学園物 恋愛小説】

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キライ @-4

大迫を見に来たんじゃない、バスケ部を見学しに来たんだと自分を宥め、甲高い声援に耳を塞ぎたい気分のまま練習を見ていた。

練習自体は結構面白かった。
最後は試合形式だったから真剣に見てたし。

部活が終わり次々と部員が引き上げて行く中、大迫は女の子に囲まれている。

涼子も行ってしまって1人少し離れた所で涼子を待つ。

「篠田。こんなとこにいるなんて珍しいじゃん」

声をかけられて振り向くと同じクラスの坂東くんだった。

「あー、涼子の付き添い」

女の子の輪を指差して苦笑いする。

納得顔の坂東くんに

「でもバスケって面白いね。迫力あるしたまに見に来ようかな」

笑ってそう言うと

「おー、いつでも見に来いよ」

タオルを首にかけて体育館を出て行った。

坂東くんの後ろ姿を見送っていると、いきなり誰かが肩に手を回した。

涼子かと思って振り向いた私の顔が凍り付いた。

おっ、大迫ー?!

「なっ!」

何すんのよー!と叫ぼうとしたら手のひらで口を塞がれる。

「お前、俺に貸しあんの覚えてる?」 

いきなり耳元で言われて何の事やらわからない。

首をブンブン振る私に

「携帯拾ってやったろ?」

だから何よっ!

大迫を睨んでいると

「今返して」

はぁ?
何を返すのよ?

「お前、口開くなよ?」

とりあえず頷くと口から手のひらが離れた。

ほーっと息を吐くと、まだ私の肩を抱いたまま。

馴々しい!

顔を上げた私に構わず、大迫はこちらを怪訝な顔で見ている女の子の集団に向かって宣言した。

「紹介するね。俺のカノジョ」

はぁぁぁぁー?!

頭が真っ白になった。
どうやって家に帰ったか覚えてない……。

気が付いたら部屋で座り込んでいた。


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