投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ガリガル!!
【コメディ 恋愛小説】

ガリガル!!の最初へ ガリガル!! 21 ガリガル!! 23 ガリガル!!の最後へ

ガリガル3!!-8

「…うん」

かあっと海の顔が赤くなって行く。と、同時にあたしの顔も。

「本当はさ、かのんと一緒いたいってだけで追い掛けて来たんだよ」

「何それ!そんなんじゃ、あたしのこと…」

好きみたいじゃん。
これ以上、あたしのこと浮かれさせないでよ。

「俺、かのんのこと好きなんだよ」

…今、好きって。

「え?」

海のキラキラした瞳にあたしが映っていた。

「可愛い可愛いって言われても偉ぶらないし、面白いし、それに自分をしっかり持ってるし」

そんな目で見ないでよ、まだ、信じらんないよ。

「サツキって子、海のこと好きみたいだった」

海は人気があって誰にでも平等だから。あたしが特別だなんて思えない。

「ははっ、らしいな。前に告られてさっきもまだ諦められないって言ってた。けど、ごめんて言ってかのんトコに来た」

「髪触ってたじゃん」

だから、あたしに期待させないでよ。もう、あんな痛い思いしたくないんだよ。

「ゴミ付いてた」

海が笑った。

「そうなんだ…」

ねぇ、海。あたし、また浮かれちゃいそうだよ。

「とにかく俺、かのんのことが好きなんだって!かのんは?」

…浮かれちゃうか。

「…あたしも海のこと好きです」

海が「うん」と微笑んだ。
トクントクンと心地よいリズムが身体中めぐる。
ゆっくり海の顔が近付いてきて…あたしは目を閉じた。唇に柔らかな感覚…。すごく気持ち良い。フワフワする。
どちらからともなく離れて目があった瞬間、プッとお互い吹き出した。

「あぁ。これでやっと、明日からかのんのこと可愛いって言う奴ぶっ飛ばせる」

「やっと?」

「ずっと前から嫌だったんだよな。お前のこと可愛いつっていいのは俺だけって思ってたけど、彼氏じゃねぇし、あ〜ってなっててさ」

何か今、さらっと嬉しいこと言ってくれちゃわなかった?

「あたし、ずっとずっと海に可愛いって言ってもらえるよう頑張るね!」

チュッと音を立てて海のほっぺたにキスをした。
一瞬驚いたようだったけどすぐに優しく微笑んで、あたしをキュッと抱き締め

「おぅ、頑張れよ」

と呟いた。
そりゃ頑張りますよ。何たってあたしは『ガリガル』なんだから!!


【END】


ガリガル!!の最初へ ガリガル!! 21 ガリガル!! 23 ガリガル!!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前