ガリガル3!!-2
「でもね、あんなウワベだけでさ、大して仲も良くないのにさ、可愛い〜って言ってとりあえず仲保っとくみたいなカンジ、イヤなんだもん」
何であたしが媚売られなきゃなんないの。
「女の子はさ、キラキラした子と仲良くなりたいもんなんだって」
「ふ〜ん…」
キラキラした人に近付きたい、その気持ちも分からなくはないけど…。
「皆だって充分可愛いのに…」
「私が思うに自分に自信無いんだと思うよ?」
「だから自分磨きするんじゃん」
あたしだってそうだし。何もみんなと変わらない。
皆が可愛いと言ってくれたって…可愛いと思われたい人に思われなきゃ意味なんか無い。
だからそれをバネに毎日頑張ってるんじゃん。
「ま、確かにね〜」
「ね、風子。あの男共、何とかなんないのかね」
「まぁ何ともなんないでしょう」
女の子を見た目ばっかで判断しやがって、あのバカ共。あいつらの言葉には中身が無い!と思う。
気に入らない子は、影で指差してクスクス笑ってるくせに。ぁあ〜ムカつく!
「あんたらの可愛いは嬉しくも何とも無いっての」
「じゃあ誰のなら嬉しいの?」
風子がニィッと笑った。この顔の風子はネコみたいだといつも思う。ネコ耳とシッポ、絶対似合う。
「誰って…」
あたしは一人の人を頭に思い浮かべた。
「もちろん」
「よっ!」
「いっ…」
いきなり後頭部に衝撃をくらい、あたしは顎が手から外れて前につんのめった。前にある風子の顔がみるみる内に笑い顔に変わっていく。
「か〜い〜」
ゆっくりあたしの頭を叩いた主を見る。
隣の席の宮城 海がヒャヒャヒャと笑っていた。
「痛い!」
「うるせぇ。朝からタリぃ態度してっからだよ」
「だからってこんな思いっきり」
「キャハハハハッ!」
風子はずっと笑っている。
「まぁいいじゃん。お前、慣れちまえ」
海は自分の席に座った。
「慣れちまえって…」
あたしは海を睨み付ける。そんなの気にしないとでもいうように「お前、髪どしたぁ?寝癖か?」とあたしの頭を指差した。