「ストロベリークリーム〜Coffee〜」-5
「とりあえず、名前でも聞いておこうか…ん?お前顔、赤いぞ」
「そ、そんなこと、ないっ!」
「よっぽど楽しみなんだな」
「違うっ!」
私の言葉をかわして、軽く笑う
「俺は、竜。お前は?」
「唯」
「唯ちゃんね」
「ちゃん付けで呼ばないで」
「なんで?」
言いながら私の隣に座る
「…彼氏、思い出すから」
「ふーんお前でも彼氏なんているの。その感じじゃ、別れたとか?」
「うぅ…」
わざと「元彼」と言わなかったのに核心をつかれて、私は言葉をなくす
「図星、だな。まあ、そんなに色気もなきゃしょうがねえな」
その言葉にぴくっと反応して、気付いたときには涙が出てきてしまった。
「お、おい、なんで泣くんだよ」
「うぅーうるさいよぉ。あんたなんかに言われなくてもそんなことわかってるもん。
お前はチビで色気がないからその気にならないんだよって、あいつに言われたもん。
似てる顔で同じこと言わないでよー」
私は小さな子どもみたいに泣いていた。
こういうところが子供っぽいって分かってるけど、止まらない
少し呆れたような顔をして、竜は私のまぶたにそっとキスをした。
「なっなにすんの!」
「泣き止んだ」
竜はいたずらをした子供みたいに笑う
「ちょっと…近いって!」
「…俺、そいつと似てんの?」
真っすぐ見つめられてどきっとする。
「顔だけ、ちょっとだけだよ」
「ふーん…」
ちょっとつまらなそうな顔をした後--------
「…んっ!」
突然キスをした。
…もちろん口に。