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「好奇心より強く」
【学園物 官能小説】

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好奇心よりもっと…-2




……………え?

それってなんか、好きみたいじゃん。



……………えぇっ?!!

私、齋藤のこと好きなの?!

確かにいつも見てたけど、でもそれは、ただ爽やかだなあ胡散臭いなあもっと色んなところ見たいなあっていう…
……それって好きなのかも

私、齋藤のこと……

私は恐る恐る齋藤の方を見た。


……齋藤も私のほうを見ていた。


一瞬目が合ったけど、私がすぐに逸らした。

何で見てるの…?

…いや、そりゃ、見るよね。
昨日あんなことしたから。
私みたいに平凡な奴のことなんか普通、気に留めないもんね。

私は勝手に盛り上がって勝手に落ち込んで、なんだか馬鹿みたいだった。


 ***


ふぅ…
思いっきり逸らしてくれちゃって。

こんなんじゃ俺もどうにも動けないじゃないか。



…あれ?

そういえば笠井、昨日………


***


いつもはほとんど人の来ない資料室に三日連続で来ている間抜けさに、我ながら呆れる。

「あ、あった」

目的の本をやっと見つけて取ろうとするが、棚に手が届かない。

「ぅー…」

必死に手を伸ばしていると、後ろからあっさりとその本を取られた。

「さい、とう」

「やっぱり、昨日持って行かなかったんだ」

少し笑って、齋藤が私に本を差し出す。

受け取ろうとすると、手首を掴まれた。

「!」

「笠井はどうして俺を避けるの?」

「は、離して」

齋藤の温度が伝わってくるだけでおかしくなりそう。

「離さない」

いつもの穏やかさからは想像の付かない低い声。
心臓がどんどん速くなる。




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