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「好奇心より強く」
【学園物 官能小説】

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好奇心よりもっと…-1



自分でしたことだけど、どこか非現実的で、一晩寝たら夢になっていてくれないかな、と思った。

だけど、起きたら健やかな日差しがカーテンの隙間から入ってきて…
…やっぱり昨日の出来事は現実なんだと、ねぼけた寝ぐせ頭で思った。

どうしよう。もう顔見られないどころじゃない。
もう無理。齋藤に会えない。

あー昨日の自分を恨む…

同じようなことを頭の中で繰り返しながら、それでもなんとか学校に向かった。

校門の前辺りに来たとき、

「笠井」

背後から声がした。すぐに誰か分かった。

ので、

不自然だとは思いながらも、振り返らずにまた走って逃げてしまった。




「また本気ダッシュか…」

こっちは昨日どう話しかけようか悩んであんまり眠れなかったっていうのに。

俺はもう小さくなった笠井の姿を見ながらため息をついた。

「齋藤、どうした。ため息なんかついて」

数学担当の高橋が声をかけてきた。

先生の授業がつまらないせいで、一つの恋が生まれ、散ろうとしているんですよ、

と思いながら、『おはようございます』と挨拶をした。


 ***


どうしようどうしよう…
さっきのは変だったよなぁ。

授業に集中できなくて、教科書の同じところを何度も読んでいる。

自業自得なんだけど、悩んでばかりだ。

なんで昨日あんなことしちゃったんだろう。

あんな…いくら興味があったって暴走しすぎ。
他の男子だったら気持ち悪くて見なかったことにしただろうなぁ。

いつも見てた、爽やかで少女漫画に出てきそうな好青年の齋藤が、予想外にあまりにも綺麗で。

普段とは全然違って。

目が色っぽくて。

私のしたコトに反応してた。

吐息を聞くだけで…私の中が熱くなる。

齋藤が欲しいって熱くなる。

…齋藤だけに、反応する…




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