好奇心と共に-3
「……うっ…」
…笠井………
「ん…ふっ……あぁっ…」
やばい、いつもより――――――――
…結局俺は最後までしてしまい、いつも以上に罪悪感を感じて自嘲的な気分になった。
ドアの外で音がしたような気がしたが、外には誰もいなかった。
……気のせいか………
***
次の日、なんだか冴えない気分で未返却図書のリストを作成していた。
「すいません、昨日借り忘れちゃって……えっ」
「はい、って……」
頭上で聞こえた声に顔を上げると、笠井が立っていた。
俺はなんだか申し訳ないような思いと共に、昨日の興奮を思い出してしまったが、
「笠井か」
出来る限りのポーカーフェイスでごまかした。
しかし、笠井は妙な仕草を繰り返し、突然後ろを向いてしまった。
少し、焦る。
「何だよ、本借りに来たんじゃないの?」
「そうなんだけど…齋藤ここで何してんの?」
「え、一応図書委員ですから。どの本?」
話している最中も全く俺の顔を見ない。
少し迷ったあと、俺にメモを差し出した。
「えっと…これ」
第二資料室の本……また再燃しそうになり必死に考えまいとした。
「あぁ、これはB棟だな。もうそろそろ終わりだし、一緒に行くよ」
「えぇっいいよ!」
なんでだよ!
なんでもないように振る舞いながら、心の中はひどく慌てていた。
そこで断るのはおかしくないか?