「続・嘆息の時」-5
それをしっかりと舌先で掬いとってから、愛璃はその先端をカリ首ごとカポッと咥えていった。
丁寧で甘美な口唇奉仕に、沢木の呻きがいっそう荒くなっていく。
膨らんでいく情欲が、早くも挿入を求めてくる。だが、沢木はふたたび愛璃の股間へぴたりと顔を寄せた。
指先で念入りにクリ○リスを弄りながら、突き伸ばした舌で淫らな粘膜をこってりと舐めまわしていく。
「あっ……んああっ……」
愛璃の喘ぎに濃厚さが増してきた。
その声に、膨張していた沢木の情欲が破裂し、理性を完全に支配していく。
「あ、愛璃ちゃん、もう我慢できない……」
沢木は、逆さになっていた愛璃の身体をすばやく抱き寄せると、上になってグイッと美脚を押し開いた。
「愛璃ちゃん……」
痺れきったペ○スの切っ先をグッと淫部の割れ目に押し当て、腰をゆっくりと前へ突き進めていく。
「ああっ……うっ……ううぅ……」
ねっとりとした粘膜にまみれながら、ヌヌッと力強く突き入ってくる肉棒に愛璃の表情が歓喜を浮かべた。
「うっく……愛璃ちゃんの、すごく吸い付いてくるよ……」
キュウッと官能的な収縮を見せる愛璃の膣壁……それが、ペ○スの性感を凄まじく揉み込んでくる。
沢木は、顔をひどく弛緩させながら少しずつ腰を動かしはじめた。
そろりと乳房へも腕を伸ばしてみるが、掴みとった乳椀を感情的に揉みしだくことなど、とてもじゃないがそんな余裕はなかった。
疼きたつ秘肉を愉悦でいっぱいに満たしていく沢木のペ○ス……その張り詰めた筋肉が、うずうずとした膣の感覚を強烈な快美感に変えていく。
脳を幻惑させ、肉体を内側から蕩けさせる。力強く、逞しく、躍動感に溢れているペ○スは、肉体だけでなく心にも頼もしい安堵感を与えてきた。
だが、このとき愛璃は、自身の胸奥にひっそりと隠れている、冷たくて悲しみに震えた小さな影を見つけてしまっていた。
「ねえママ〜、あした晴れるかな〜?」
タオルケットの中から、ちょこんと顔だけだして不安そうに聞いてくる女の子。
「きっと晴れるわよ。だから安心して寝なさい。ねっ」
添い寝している涼子が、我が子のサラサラした髪を撫でながら笑顔を向ける。
そんな母親の優しい表情に、女の子はニンマリと笑って目を閉じた。
(ふう……やっぱり、父親の存在って必要なのかしらね……)
有理の顔をジッと見つめながら、ふと心の中で呟いてみる。
夫と離婚して一年が経つが、有理にはまだ理解できていない。まあ当然だろう、まだ三歳なのだから。
父親のいない生活が、有理にとって寂しくないわけがなかった。
父親がいなくなって半年間は、その姿を捜し求めては泣き喚くという日々が続いた。